少子高齢化の進展や長引く不況など、将来への不安要素が尽きないところに降りかかった今回のコロナ禍。先進国であり、社会保障や医療制度が整備された日本でも、先行きを悲観する人はあとを絶ちません。しかし、不安に思うだけでは未来は変わりません。できることから不安を軽減する方法を探りましょう。まずは「年金」です。「将来の年金受給額」という現実を直視すれば、やるべき対策が見えてきます。本記事は、ファイナンシャル・プランナーで株式会社Money & You代表の頼藤太希氏が解説します。
年収500万円で月14万円…?直視すべき「将来の年金受給額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

iDeCoを利用できる人・できない人

iDeCoは、人によって掛金の上限額が異なりますので(図表3参照)、ご自分の掛金の上限がいくらになるか確認してみましょう。

 

出所:iDeCo公式サイト
[図表3]iDeCoの拠出限度額 出所:iDeCo公式サイト

 

しかし、その他の条件で加入できない人もいますので、該当しないか確認してください。

 

★国民年金保険料が未納、国民年金保険料が免除されている

国民年金保険料が未納になっている人や、国民年金保険料が免除されている人は加入できません(第3号被保険者は加入できます)。

 

★60歳以上である

60歳以上(2022年5月からは65歳以上)の方も加入できません。なお、60歳時点で加入期間が10年ない場合は、受け取りの開始時期が最長65歳までと遅くなります。

 

★国民年金基金の掛け金を上限まで拠出している

自営業やフリーランスで、国民年金基金の掛金を上限の6万8000円拠出している人も加入できません。6万8000円未満なら加入は可能ですが、いずれにしろ、2つの制度の掛金の合計が6万8000円を超えないようにする必要があります。

 

★企業型確定拠出年金に加入している

企業型確定拠出年金に加入している人もiDeCoに加入できないケースがほとんどです。会社の規約で併用が認められていれば別なのですが、現状では特殊だといえます。とはいえ、2022年10月以降の制度改正で加入のハードルが下がる可能性が高そうです。
 

 

不安から目を逸らしているだけでは、資産形成や老後対策は実現できません。まずはご自分の現状を正確に知って、なにが足りないのか、どのくらい足りないのかをしっかり把握していきましょう。「不安な部分」が明確になれば、そこから対策を立てることが可能です。

 

個人年金に加入するのか、副業を考えるのか、現在の職場に少しでも長く勤められるようにするのか、専業主婦からパートを開始するのか…。

 

大げさかもしれませんが、まず一歩を踏み出してみることで、これまでと少し世界が違って見えてくると思います。そうすれば、今後の選択肢や可能性が見えてくるだけでなく、「わからない」「見通せない」ことで感じていた不安も、ずっと軽減できるはずです。

 

頼藤 太希
株式会社 Money & You 代表