コロナ禍にある世界経済。オーストラリアのGDP(国内総生産)は、2019年まで29年連続でプラスで成長していましたが、その記録は2020年でストップしてしまいました。しかし、2021年なかごろには早くもコロナ前の水準に戻るとされています。なぜオーストラリアは他の先進国と比べて、早期の経済復興が見込まれるのでしょうか? 32年間にわたってオーストラリアで不動産ビジネスを手掛けている株式会社ワイドエステートの砂川代表が、不動産市況とあわせて現地の様子を解説します。

シドニーとメルボルン以外の「不動産価格」は上昇へ

次は、コロナ禍におけるオーストラリアの不動産市場について説明します。

 

次の[図表2]は、オーストラリアの主要都市の価格推移となります。

 

[図表2]2020年3月~2021年1月のオーストラリア主要都市の不動産価格推移

 

2020年3月新型コロナ発生時を起点(ゼロ)として、2021年1月までの価格の推移が表示されています。ご覧の通り、先ほど記述した政府の新型コロナ対応策が施行された時期の2020年4月、5月、6月、7月は全体的に価格が下落しました。しかし、感染の拡大の抑制、そして国による刺激策の効果が出始めた8月ごろから徐々に価格が上昇し、結果的にシドニーとメルボルンを除く全ての都市で価格上昇しました。

 

シドニーとメルボルンの価格が下落したままとなっていますが、これは、1.コロナ発生時に市街地において完成物件が市場に多く出まわったこと、2.都市のロックダウンにより市内における人の行き来が厳しく制限されたことがあげられます。

 

それに加えて、外国からの移住者(就労者・留学生等)の約7割はシドニーとメルボルンに住むという統計があり、その移住人口が国境閉鎖で激減したことなどがあげられます。

 

また、メルボルンの落ち込みが著しいのは、メルボルンでは第二波が発生し、120日以上都市封鎖を余儀なくされた結果となっています。ただ、ご覧の通り、2つの都市においても価格は徐々に回復しており、ここ数ヵ月のうちに上昇に転じるものと思います。

 

 

最近、豪州中央銀行のロウ総裁から、「過去最低の政策金利(現行0.1%)は物価指数と賃金の上昇が安定するまで少なくとも2024年までこの施策を続ける」との声明があり、市場では金融政策面で中央銀行が後押しをすると受け止められました。

 

全ての産業、特に低金利の環境をもっとも享受できる不動産市場は活気付いてきていますので、2つの都市の価格が回復し、上昇に転じるシナリオは容易に描けると思います。ちなみに、クィーンズランド州最大の経済都市であるブリスベンの不動産中央値は、新型コロナ発生時より2.9%の上昇となっています。

 

新型コロナが発生したとき、メディアなどではコロナの影響で物件価格は20%〜30%下がるとの予測も報じられていましたが、特に大きな混乱ありませんでした。価格が下がることを期待していた買い手にとっては、あまりいい結果にはなりませんでした。

 

ただ、新型コロナの初期において、新規プロジェクト物件で完成はしたものの、先の購入者が決済できない(購入代金の残金を払えない)案件が多くあり、開発主が止む無くそれらの物件を市場に放出した時期がありました。

 

コロナ禍真っ直中ではありましたが、通常時ではなかなか手に入らない好条件の物件なので人気は高く、市場に出るとあっという間に完売になるという状況です。

 

 

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