法人税15%が「実質ゼロ」になる、ジョージアの税制
――今回のテーマである「ジョージア」は、日本ではまだまだ馴染みの薄い国です。どのような国なのでしょうか?
日本では2015年まで「グルジア」と呼んでいたので、その名称のほうが馴染みがあるかもしれません。旧ソビエトを構成していた国で、1991年に独立しました。ヨーロッパとアジアの境に位置し、西は黒海、北はロシア、南はトルコやアルメニア、アゼルバイジャンと接しています。スイスくらいの国土に、400万人ほどの人が住んでいます。国土の多くが山地で、日本のような過ごしやすい気候です。
地理的にヨーロッパ諸国との結びつきが強く、実際に行ってみるとアジアの人はほとんど見かけません。街並みもヨーロッパのような落ち着きある雰囲気です。
――そもそも「ジョージア」に注目したのは、何がきっかけだったのでしょうか?
わたしたちは世界中の金融商品を取り扱い、国際税務のアドバイスや資産管理のサポートをしていますが、そこで注目したのがジョージアの税制でした。
原則的にジョージアの法人税は15%です。会社の売上から必要経費を引き、最終的に残った経常利益に対して課税されます。ここまでは、他の国と同じです。
他の国と違うのは、最終的に残った利益に対し、下記1~4に該当しなければ法人税の支払い義務はないということです。
1.利益の配分を行なった場合(株主に利益を配当するなど)
2.経費が事業とは無関係の場合
3.無償の贈与を行なった場合
4.会社の総収益の1%を超えた会社代表者の経費
残った経費は、そのまま会社の事業に関係したことに使うことができます。つまり事業拡大のために使い続けるなら「法人税はゼロ%」ということです。
事業が「不動産の投資・管理」であればどうでしょう。収益をそのまま投資にまわせる、ということです。しかもジョージアの不動産投資は「実質利回り20%程度」と高利回りであるのも魅力です。
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定期預金金利10%を意識したジョージアの不動産価格
――実質利回り20%というのは、日本の不動産投資では考えられないほどの水準です。なぜジョージアの不動産投資では、これほどの高利回りが実現できるのでしょうか?
大前提として、ジョージアでは年利12%以上でないと不動産は売れないといわれています。なぜなら、ジョージアの定期預金の金利は10%と高いからです。
考えてみてください。もしジョージアで不動産の年利が10%以下だったら、リスクをとってまで不動産に投資するでしょうか。誰もが不動産投資ではなく、定期預金を選ぶでしょう。そのため、ジョージアの不動産は定期預金の金利を意識し、販売価格を設定しています。だからジョージアでの不動産投資では、日本では考えられないような、実質利回り20%という高利回りが実現するのです。
さらに経済成長も注目です。ジョージアの1人当たりのGDPは世界111位で、決して高いとはいえません。しかし重要なのは順位ではなく、成長しているかどうかです。ジョージアの経済は旧ソ連崩壊で機能不全に近い状態まで落ち込みましたが、2003年の改革によって2桁台の経済成長を遂げました。以降も安定的な経済成長を続けており、2018年のIMF推計値では、経済成長率4.7%と顕著な数字を示しています。
このような経済状況を背景に、ジョージアでは賃料の上昇が顕著です。実は、わたしたちがジョージア不動産に注目した最大の理由は、この賃料の上昇にあります。
ジョージア不動産の投資額の目安は、現在、だいたい5万米ドルからで、非常にリーズナブルな水準です。投資家のなかには、不動産価格が上昇したら売却する、キャピタルゲイン狙いの方もいるでしょう。しかしわたしたちは、それは少々もったいないと感じます。なぜなら「購入時の価格が安い」「購入後に賃料が上昇する」という2つの条件が揃うジョージアでは、何十%という利回りで長期的に高収益を得られる可能性があり、投資メリットも大きいと考えるからです。
――金利が高い国は、インフレ率が高いというイメージがあります。
ジョージアのインフレ率は、2018年のIMF推計値で2.76%となっています。定期預金金利が10%でインフレ率が2.76%ということは、インフレにより年間で2.76%、貨幣価値は減りますが、金利は年間10%なので、投資家の資産価値が大きく減るということはありません。
このインフレ率2%というのがどのような数字なのかといえば、日本や米国、EUなどの中央銀行が「インフレ率2%」を目標に掲げて躍起になっていることからも、いかに健全であるか、おわかりいただけるでしょう。ジョージアのインフレ率は、先進国においても理想値なのです。
また前述のとおり、ジョージアは、EUとの結びつきが強い国で、将来的にEU加盟を目標にしています。ジョージア経済は自由で透明性が高いと評価されており、EU諸国とほぼ同じ水準だといわれれています。
つまりジョージアには、欧米並みの健全なマーケットが成立しているのです。このような環境も、投資家にとっては安心できる材料ではないでしょうか。
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