マセラティ ギブリ

イタリアのみならず世界中のクルマ乗りたちの憧れであり、現在も進化を続けている自動車ブランド「マセラティ」。本企画では、伝統と革新のクルマ「マセラティ」の魅力や、より気軽に乗ることができる新たなファイナンスプランの活用法を、マセラティ ジャパン株式会社シニア・エリア・セールスマネージャーの齋藤学氏に伺っていく。

“粋”な人たちに愛されてきたマセラティの歴史

1914年、イタリアのマセラティ兄弟によって設立されたマセラティ。原点はレースに勝つためのクルマ作りだった。その想いは現在のラインナップにも引き継がれ、マセラティのDNAともなっている。エンジンをかけた瞬間に感じる高揚感は、見るだけではなく、触れて、乗らなければ味わうことができない。

 

日本国内へのマセラティ正規輸入開始以来、現在まで様々なモデルが輸入されているが、そのほとんどが酸いも甘いも噛み分けた“大人”に購入されてきた。一例を挙げるなら、1960年代、新車で日本に輸入されたクアトロポルテを何十年も愛用していたのは老舗の和菓子屋さんだった。昔からこのような“粋”な人たちに愛されてきたのがマセラティなのである。

 

そのマセラティが近年、大幅に台数を増やしている。日本の国内において、2013年には491台だった登録台数が、昨年、2018年は1,453台(いずれも日本自動車輸入組合調べ)と大躍進を遂げているのだ。

 

それらの要因は、2013年にフルモデルチェンジしたフラッグシップの4ドアサルーン、クアトロポルテだけではなく、同じく4ドアサルーンのギブリに加え、2016年末に導入した「SUV」のレヴァンテの貢献が大きい。現在販売されているマセラティのラインナップのうち、50%弱を占める主力車種になっている。

 

マセラティ クワトロポルテ
マセラティ クワトロポルテ

 

そのレヴァンテを購入しているユーザーの90%は、初めてマセラティを購入した方々だという。つまり、他ブランドからの流入により台数を増やしているのだ。これまでの、マセラティにほれ込んで購入するという一部の愛好家に限らず、より広い範囲にユーザーの層を広げつつあるといえるだろう。

 

マセラティ ジャパン株式会社 シニア・エリア・セールスマネージャー 齋藤学 氏
マセラティ ジャパン株式会社
シニア・エリア・セールスマネージャー
齋藤学 氏

現在のユーザー層についてマセラティ ジャパン株式会社シニア・エリア・セールスマネージャーの齋藤学氏は、「購入される年齢層は、50代前半をコアに幅広くなっている印象です。趣味性や独自性が強いクルマですが、中には20代のユーザーもいらっしゃいます」と語る。法人登録がやや多く、中小企業のオーナーや、ドクター、弁護士、不動産関係など、職種も幅広いという。

 

「20年から30年前にマセラティというブランドを知り、いつかは乗りたいと思っていた。50代前半でビジネスも軌道に乗り、十分乗るに相応しい立場になった。そして今、憧れの1台として実際にご購入いただいているというイメージです」(齋藤氏)。

 

性別では、全体の9割弱が男性であるものの、レヴァンテ(SUV)における女性比率は14%と、「女性ユーザーをも引き付ける魅力を備えています」(齋藤氏)。さらに、「他モデル(ギブリ、クアトロポルテ、グランツーリズモ、グランカブリオ)も875万円から2,000万円までと価格帯も幅広く、スペックも含めて多種多様なモデルを用意しています。奥様はデイリーユースで、お子様の送り迎えやお買い物に。そして週末にはご主人が運転する。そんな使い分けが気軽にできるのも、ご支持いただいているひとつの要因でしょう」(同)と分析する。

 

細部にまで宿るマセラティの美意識とは?

さて、実際にクルマを購入したユーザーは、マセラティのどこに魅力的を感じているのだろうか。

 

それは他とは違う価値観でありながら、誰からも認められるブランドであるということを魅力のひとつと捉えているのかもしれない。ユーザの下取り車もいわゆる「デザインコンシャス」で、特徴的な輸入車が多いというところからも伺える。それゆえにスタイリングやインテリアの材質などへのこだわりを持つユーザーは当然多い。その価値観とマセラティの美意識とが合致しているのではないのだろうか。

 

マセラティの美意識。それは全てのモデルに共通するクラフトマンシップ(職人気質)やイタリアブランドならではの材質へこだわりに顕著に表れている。例えばイタリアを代表するファッションブランドとなるエルメネジルド ゼニアの素材を車内のインテリアに使用していることなどがその一例である。

 

マセラティ レヴァンテ
マセラティ レヴァンテ

 

さらに言えば、100年以上にわたって引き継がれてきたレーシングスピリットもブランドの魅力のひとつであろう。例えばギブリは、1947年に発表されたA6 1500以降築き上げてきた伝統である『グランドツアラー』の性格をセダンながらに受け継いでいる。このように細部に至るまでのこだわりがマセラティの特徴かもしれない。

 

細部まで研ぎ澄まされた、ドライバーズシートに座った瞬間の香り、ドアの開閉の音、スイッチひとつひとつの感触のこだわり。心揺さぶる圧倒的なエンジンサウンド。他に類を見ないイタリアンブランドが生み出す技術とパフォーマンスを体感すれば、マセラティが特別なクルマであることを理解していただけるだろう。

 

これまでマセラティは自分とは違う世界のクルマだと感じてきたかもしれない。しかし、運転が好きであれば実際にステアリングを握り、他のクルマとの明確な違い、前述のような魅力を全身で味わってほしい。

 

次回からそのマセラティをより身近に感じるファイナンスプランをご紹介する。新しいマセラティに乗るハードルが高くないことをご理解いただけるはずだ。

 

 

 

取材・文/内田俊一 撮影/永井浩 
※本インタビューは、2019年1月25日に収録したものです。

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