厳しい融資環境…今、一棟不動産投資で「勝ち切る」には?

かぼちゃの馬車騒動に端を発した金融機関の融資引き締めなど、厳しい局面を迎えているとされる国内不動産投資。しかし、戦略の企て方次第では、むしろ超優良物件を手に入れるチャンスが到来している。本企画では前後編2回にわたり、いま「一棟不動産投資」で勝つためにはどんな投資戦略が必要なのか、ファースト・インベストメンツ代表取締役の中込章夫氏に伺う。後編のテーマは「今、一棟不動産投資で勝ち切るには?」である。

「ワンルーム」と「一棟不動産」投資の明確な違い

収益不動産は、さまざまな観点から分類ができます。まず建物の種類ではRC(SRC)造と木造があります。建築タイミングでは新築と中古、所有の仕方では1棟所有と区分所有に分けられます。これらを組み合わせて、個々の物件が成り立っていますが、それぞれに特徴があり、メリット、デメリットがあります。では、何をどう買うのがいいのでしょうか?

 

私は自分の仕事を「不動産物件を売買すること」だとは考えていません。私たちの真の目的は「お客様に最適な資産運用のお手伝いをすること」であり、不動産を買っていただくのは、いわばその手段に過ぎないと考えています。もちろん商売ですから、買っていただくに越したことはないですが、お客様によって、今は不動産を買わないほうがいいと思えば、はっきりと「いまは買わないほうがいいですよ」とアドバイスをします。

 

その観点からいうと、どんな収益物件を買うのがいいかは、実はその投資家の資産、収益状況と、そこから導き出される目的次第ということになります。

 

ファースト・インベストメンツ 代表取締役 中込章夫氏
ファースト・インベストメンツ
代表取締役 中込章夫氏

たとえば、ワンルームマンション投資などの区分所有について考えてみます。これは、キャピタルゲインや、家賃による収益が主な目的ではなく、減価償却費の計上による節税を目的とする人に向いています。フローの収入が多く(年収1800万円超)、減価償却による節税メリットが大きい方は、必要な減価償却額に合うように調整して、ワンルームマンションをいくつか持っておくというのは、悪い方法ではありません。

 

ただし、将来に向けて安定的資産を増やしていき、そこからの賃料収入によって経済的自由を得ることや、次世代に財産を残すことを主目的にする場合は、区分所有はあまり適していません。なぜなら、区分所有では土地が残らないからです。

 

一棟不動産投資の最大のポイントでありメリットが、最後には土地という減価しない資産が残る点です。しかも、その土地の代金の支払い(=融資返済)には、店子さんが支払う家賃を充てていくわけです。つまり、やや大げさな表現で、「店子さんに地代を払ってもらって、タダで土地を手に入れるのが一棟不動産投資」だと言っても、それほど外れていません。

 

「中古アパートと新築RCマンション」どちらがお得か⁉

一棟不動産投資でも、中古アパートと新築マンションとでは、購入すべき人はだいぶ違います。いずれも、最終的に土地が残ることは同じですが、一般論としては、中古アパートは、価格が低く設備等の経費も少ないため、購入直後から多めのキャッシュフローが得られます。つまり比較的短期間でキャッシュを残しやすいのは、購入時点で稼働率が高い中古アパートでしょう。また、減価償却も早く取れます。そこで、私たちも、属性が高くても資産が少ない方が初めて、または2棟目の不動産投資をする場合、中古アパートをまず勧めます。

 

そして、得られたキャッシュフローのうち半分は、大規模修繕などのために積み立てておき、あとの半分は、次の物件の購入資金として残していくのが、木造アパート購入後のセオリーです

 

ただし、中古アパートの場合、売却による「出口」が難しくなる点に注意が必要です。購入時の年齢にもよりますが、そのまま持ち切って、あるいは大規模修繕のタイミングで建て直してから、子どもに相続させるケースが多いでしょう。また最後は、更地にして売るという選択肢もありますが、その費用等を考えると、キャピタルゲインを得られる可能性は少ないでしょう。

 

一方、RCのマンションの場合は、「将来の担保価値を買う」という意味合いがあります。建物価格が高く、また設備にかかる経費も多いため、得られるキャッシュフローは相対的に低くなります。その代わり、建物の価値が減りにくいので、将来の担保価値は高いまま保たれます。また5年経った後に売却して、場合によってはキャピタルゲインを得ることも可能です。ただし、最初に購入する価格は、木造アパートよりもだいぶ高くなります。

 

まとめると、現代の不動産投資による資産構築の一般的なセオリーは、

 

①積算評価が高く、空室率の低い中古木造アパートを購入(場合によっては新築アパート)。

②賃料の半分は修繕費などの積み立て、残りを次の物件の購入資金として貯める。

③最初の物件の残債が減り、資金がある程度貯まった段階で2棟目を購入。RCマンションも視野に入れる。

 

となるでしょう。

 

資産形成のポイントは「いかに早く担保を作れるか」

2棟目購入以降の資産拡大を考える際にポイントとなるのは、実は最初の物件を買うタイミングです。

 

数年前のように、フルローンで年収の20倍、30倍といった融資を受けられる環境であれば、いつ買うかはあまり重要ではありませんでした。なぜなら、銀行融資がいつでも、どんな物件でも(といっては少し大げさですが)受けられたので、時間の価値をあまり気にしなくてもよかったのです。

 

ところがいまは違います。融資を受けられるタイミングと物件が、かなり限られます。そのため、融資を受けられる物件を早く買えば買うほど有利になります。なぜなら、早く買えばそれだけ早く融資の残債が減り、すなわち担保価値が上がり、その一方でキャッシュも増えるため、以後、レバレッジをかけた資産拡大をしやすくなるからです。

 

こんなことを言うと、「また不動産業者が煽っている」と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。銀行融資の蛇口がほぼ限界まで絞られている現在、不動産による資産拡大を目指すのであれば、上記の考え方がもっとも合理的であることは、冷静に考えれば自明であると思われます。

 

ぜひ皆様も、厳しい融資環境だからこそ得られる価値の高い一棟不動産投資で、将来の資産形成をはじめてみてはいかがでしょうか。

 

ファースト・インベストメンツ株式会社
 代表取締役

1970年生まれ。桜美林大学経済学部卒業、東京消防庁入庁後、商社サラリーマン時代に不動産投資を始める。その後、不動産を購入していた一棟不動産会社に転職、6年間実績を積み営業部長を経て独立。自らの投資経験を生かした営業で、課長時代まではトップセールスマン。部長時代には、顧客数600名と80名のスタッフの仕入れ物件のマッチングを行い、最適な融資付け及び資産形成のディレクションで実績を積んだ。現在も同様に一都三県を中心とする一棟もの収益用不動産の売買~管理に特化した事業を行っている。板橋区、平塚市にそれぞれマンション1棟、仙台にアパート1棟、横浜山手に自宅戸建を保有している。

著者紹介

連載1年で4棟8億円の購入事例も! 超実践的「一棟不動産投資」勝利の方程式

取材・文/椎原芳貴 撮影/永井浩
※本インタビューは、2018年12月11日に収録したものです。