海外不動産の中でもメジャーなハワイ不動産。現地宿泊施設の需要は常に過多で、投資対象として人気のあるホテルコンドミニアムなどでも安定的なインカムゲインが期待できる。本連載では、ハワイ現地で長年トップリアルターとして活躍する(年間55件、計35億円/2017年実績)、コールドウェルバンカーの寺平美希子氏に、ハワイ不動産投資の最新事情と「いま現在」の上手な買い方などを伺った。最終回のテーマは、ハワイ現地のトップリアルターが注目する物件&プロジェクトである。

「観光客向け×短期貸し」の物件が人気

前回は、ハワイ不動産投資を成功させるために欠かせない「誰から買えばよいのか?」について解説しました。最終回の今回は、ハワイにはどんな物件があるのか、高い収益が期待できるのはどのような物件なのかについてお話ししましょう。


ハワイで取得できる住宅用途の投資用不動産には、主にコンドミニアム、ホテルコンドミニアム、一戸建ての3種類があります。

 

コンドミニアムは、日本で言うところの「区分所有マンション」と同じと考えていいでしょう。ホテルコンドミニアムは、文字どおりホテルなどの1室を取得して賃貸する短期貸し住宅です。


日本の投資家の方々にとくに好まれているのは、コンシェルジュが常駐している新築コンドミニアムです。不動産価格が上がり続けているハワイでは新築の価格が最も安く、出来上がった時点で買っておけば、より大きなキャピタルゲインが期待できるからです。また、コンシェルジュ付きのコンドミニアムなら生活するのに便利ですし、セキュリティ面でも安心なので、入居者が確保しやすいというメリットもあります。


短期貸しがメインとなるホテルコンドミニアムも日本の方々に人気です。貸していない期間はオーナー自身が利用できるので、投資目的に加え、セカンドハウスとして購入される方も大勢いらっしゃいます。このほか、通常のコンドミニアムでも短期貸しができる物件があります。

 


基本的にはコンドミニアムですが、ホテルコンドミニアム的に投資できるお勧め物件のひとつが、第1回でもご紹介した「パークレーン・アラモアナ」です。1ヵ月からのバケーションレンタルが可能です。「アラモアナセンター」のすぐそばという一等地にあるため、観光客からの人気が高く、常に予約が入るので安定的な収益が期待できます。日本人コンシェルジュがいるのも人気の理由です。

 

販売価格の幅は現在6億~30億円で、賃料は1ヵ月あたり150万~200万円といったところです。仮に6億円の物件で賃料が1ヵ月150万円だとすると、表面利回りは年3%となります。


このほか、お勧めのホテルコンドミニアムとしては「イリカイ」「ビーチタワー」などがあります。価格は、イリカイの2ベッドで2億円、ビーチタワーの2ベッドで2.5億円からといったところです。

 

イリカイは、1965年に建設された26階建て1,023戸の物件です。間取りはスタジオ、1~3ベッドルームなどが用意されています。この物件は築年数が50年以上経過しているので、日本で減価償却を短期で取るのに適しています。そのため、節税目的で購入される方もかなりいらっしゃいます。

 

正直に言いますと、日本の方に人気の高い「トランプタワー」と「リッツ・カールトン」は利回りの観点からいってお勧めしていません。販売価格が高騰しすぎて再販が難しく、出口が見えないからです。また、1ベッド、2ベッドといった大きな部屋になるほど、高額なマネジメントフィー(ホテルに支払う運営費)が取られ、10万~20万円ほどしか手元に残らないといった実情もあります。お客さまには、実需目的なら構いませんが、投資目的での購入は避けるようアドバイスしています。

一戸建てでお勧めなのは「カハラアベニューの豪邸」

ハワイでは、現在もあちこちで新しいコンドミニアムの建設が行われています。なかでもとくに私が注目しているのは、全米屈指の不動産デベロッパーであるハワードヒューズが手掛けている「アアリイ」(’A’ali’i)というプロジェクトです。


家具付きのコンドミニアムで約5,500万円からというお手ごろな価格から、2ベッドで2億円といった価格帯で販売されています。バケーションレンタル用としては家具付きの物件が多いのですが、内装を手掛ける必要がないので初期費用を抑えられるのも魅力です。


一戸建てでお勧めなのは、「カハラアベニューの豪邸」です。カハラアベニューのほとんどの物件は木造なので、減価償却のメリットも享受できます。販売価格は6億~7億円が相場で、海辺のものになると15億~30億円ほどになります。海辺には57軒しか建っておらず、非常に価値の高い物件です。現在、コンドミニアムが投資家の注目を一身に集めているので、カハラアベニューの豪邸は穴場といえます。著名人が賃貸することも多くインカムゲインが狙え、メインテナンスフィーや管理費がかからないことも考えると、この価格帯は決して高くないといえるでしょう。

 

 

このほかにも、ハワイには魅力的な投資用物件がたくさんあります。ご興味がある方は、お気軽にご連絡ください。

 

取材・文/渡辺賢一
※本インタビューは、2018年7月13日に収録したものです。