6人の専門家が手がけた「相続対策本」・・・執筆の動機とは?①

今回からは、6人の専門家が集結し、1冊の本を書き上げた事例を紹介します。著者それぞれがどのような想いを込めて執筆したのか、インタビュー形式で探ります。※本連載では、毎回ひとつの事例をあげ、今なぜ社長作家が激増しているのか、そして、本を出すことでどんなドラマが生まれるのかを探っていきます。

相続対策に悩む人に「正しい知識」を伝えたい

相続増税時代に突入し、相続税対象者は昭和33年以来過去最大に。相続人同士の不和や争い、高額な相続税負担、財産の損失など、残された人たちの人生を揺るがしかねない問題であるがゆえに、頭を悩ませる人も多い。

 

そんな中「かけがえのない財産や人間関係を守り、円満相続を叶える一助となりたい」という想いを抱き、司法書士・不動産鑑定士・税理士・不動産コンサルタント・遺品整理士・事業承継コンサルタントの6人の専門家が立ち上がり、「対策の難しい相続に悩む人」のための、「円満相続を叶える正しい知識」を伝える本を出版した。

 

今回から6週にかけて、著者陣へのインタビュー記事を行なう。第1回目は不動産コンサルタント・佐藤良久氏。

 

佐藤良久(不動産コンサルタント)

 

営業・管理・マーケティング・運用・相続と、不動産に関わる多彩な部門に精通し、過去18年間で1000件を超える不動産・相続案件に携わる。現在、一般社団法人さいたま幸せ相続相談センター(http://saitama-shiawasesouzoku.jp/)代表理事ほか、不動産・相続を手がける複数の企業や団体で要職を務める。

著書に、『長女と嫁が相続でやるべき5つのこと』(自由国民社)、『37.5歳のいま思う、生き方、働き方』(クロスメディア・マーケティング)がある。趣味は読書とマラソン。2010年からブログを活用して読書日記を書いており、その数は1000冊を超える。読んでいる本はビジネス書を中心に、小説、歴史、アート、建築関連、漫画など。

 

大学卒業後、不動産売買仲介大手の東急リバブルへ入社。5年間不動産売買仲介業を経験し、その後は都内初の廃校再生事業を含む不動産再生ビジネス事業や、数百億円規模の不動産ファンドの運用、相続コンサルティングを行なう。不動産売買仲介300件以上、相続相談対応1000件以上の経験を持つ佐藤氏が本書に込めた想いとは――。

 

――本書を出版されたきっかけを教えてください。

 

元々出版経験があり、書籍を通じて相続のノウハウをわかりやすく伝えることができる効果を実感していました。実は一般社団法人さいたま幸せ相続相談センターを創業し、日々相続相談に関わらせていただいている中で、相続対策に失敗している方が一定数いることがわかりました。相続のサポートをしている私としては、啓発活動を行う必要があると強く思い、出版を決意しました。

 

――本書では「相続不動産の売却5つのポイント」と題し、相続不動産売却の基本的な流れや不動産会社を選ぶ上での注意点などを、事例とともにわかりやすく解説している佐藤氏。本書を執筆する上で苦労したことはありますか。

 

相続財産は半分近くが不動産になります。“不動産対策が相続対策”といっても過言ではありません。当初、不動産コンサルタントとしてどの分野を書くべきか相当悩みましたが、詳しく分からないまま相続した不動産を売却し損をしている相続人が多いという周囲の声が心に残っており、相続不動産の売却に特化して執筆を始めました。それでも執筆範囲が広かったので、絞込みに苦労しました。

 

――相続において検討する場面が多い不動産の売却。高い専門性や信頼感が必要な仕事ですが、どのような瞬間に仕事のやりがいを感じますか?

 

月並みかもしれませんが、やはりお客様に喜んで頂いた時にやりがいを感じます。どんなに大変な仕事であってもお客様から嬉しい一言を頂けると全ての苦労が報われます。

 

 

――日々、仕事に取り組むうえで心がけていることはありますか?

 

相続というのは相当の財産が分与されるだけに、必ずしも相続人全員が納得した形になるとはかぎりません。それまでは仲がよかった親兄弟、親戚同士ですら骨肉の争いに発展することもあります。相続相談に来られる方は、大切な財産や人間関係に関する悩みを抱えていらっしゃることがありますので、まずは人として信頼していただけることが大切だと思います。

 

私は大学院在籍時のゼミの担当教授を尊敬しているのですが、その先生は素晴らしい経歴と経験をお持ちでありながら、とても腰が低い方でもありました。私たちひよっこの学生にも大変やさしく指導をしてくださいました。体育会組織にいた当時の私には驚きでした。私も先生のように、日々目の前の方に誠実に向き合っていきたいと考えています。

 

――最後に、読者に伝えたいメッセージをお願いします。

 

相続は私たちの思っている以上に揉める要素を持っています。生前、絶対に揉めることがないと考えていたご家族が揉め出しているケースをたくさん見ています。

 

この問題解決にはご家族のみなさんが元気なうちにしっかりと相続について話し合いをすることが大切です。そして、家族だけでの場の取りまとめが難しいようであれば、客観的な立場にある士業の先生や相続コンサルタントに立ち会ってもらったほうが良いです。

 

うちの家族は資産がないから大丈夫、うちはずっと仲良しだから大丈夫と思わず、元気なうちにしっかりと準備をして頂きたいと思います。

 

 

佐藤良久、近藤俊之、幾島光子、石川宗徳、森田努、島根猛 著

『円満相続を叶える正しい知識』

 

 

「相続登記と遺言を行なうメリットってなんだろう?」
「相続した不動産、売るべき?売らないべき?」
「信頼できる税理士の見極め方を知りたい」
「不動産価格を巡って意見が分かれてしまった」
「倉から掛け軸を発見。誰に相談すればいい?」
「会社を任せられる後継者がいない」

「対策が難しい相続」に悩む人は、決して少なくありません。本書では、司法書士・不動産コンサルタント・税理士・不動産鑑定士・遺品整理士・事業承継コンサルタントの6名が、事例と共に相続に関する悩み解説。大切な資産と人間関係の守り方を教えます。

 

幻冬舎ルネッサンス新社 代表取締役社長

企画編集室・室長を経て現職。代表取締役となった現在も、毎月10冊以上の書籍編集に携わる。手がけるジャンルはノウハウ書、旅行記、写真集、絵本など幅広いが、特に得意としているのは小説と自叙伝。著者の出版目的を満たすことを重要視し、書き手と細かく議論を重ねる編集スタイルが特徴。これまで多数の重版実績を持つ。

著者紹介

連載いま激増する「社長作家」――その実像を探る