6人の専門家が手がけた「相続対策本」・・・執筆の動機とは?②

前回に引き続き、6人の専門家が集結し、1冊の本を書き上げた事例を紹介します。著者それぞれがどのような想いを込めて執筆したのか、インタビュー形式で探ります。※本連載では、毎回ひとつの事例をあげ、今なぜ社長作家が激増しているのか、そして、本を出すことでどんなドラマが生まれるのかを探っていきます。

遺品の中には、思いがけず価値があるものも…

相続増税時代に突入し、相続税対象者は昭和33年以来過去最大に。相続人同士の争い、高額な相続税負担、財産の損失など、残された者の人生を揺るがす可能性があるゆえに、頭を悩ませる人も多い。

 

そんな中「かけがえのない財産や人間関係を守り、円満相続を叶える一助となりたい」という想いを抱き、司法書士・不動産鑑定士・税理士・不動産コンサルタント・遺品整理士・事業承継コンサルタントの専門家が立ち上がった。そして、「対策の難しい相続に悩む人」のために「正しい知識」を伝える本を出版した。

 

著者陣へのインタビュー記事、第2回目は遺品査定士・近藤俊之氏。

 

家業である質屋を継ぎ、ブランド品や宝石、アンティークを中心に、年間10万点以上を査定。培った真贋力を生前整理・遺品買取に活かすほか、時代の流れの先を読んだ戦略により、国内外で次々と販路を見出し、力強い事業を展開している。

 

近藤俊之(遺品査定士)

 

ブランド品や宝石、アンティークを中心に、年間10万点を超える査定をこなし、培った真贋力を、生前整理・遺品買取に活かす。“丁寧で根拠のある価格説明”をモットーに、思い入れのある大切な“お品物”の橋渡し役として、常にお客様の目線でサービスを提供している。

趣味はゴルフ、読書、映画、旅行と多数あるが、最近はもっぱら仕事が趣味。「会社を通して、社員、顧客、ご縁ある方々に豊かになっていただくにはどう行動するのが最善か」をテーマに、日夜研究中。

 

――“遺品査定士”という職業について、聞きなれない方も多いかと思います。具体的にどのようなお仕事なのでしょうか。

 

遺品査定士とは、遺品買収に関わるプロフェッショナルとのパイプを持ちながら、ご遺族が安心して遺品を繋ぐことへの支援を行うのが主な仕事です。遺品整理の知識だけでなく、遺品査定と買取に特化し、そのノウハウと専門知識、法令に関する理解を兼ね備えた専門家です。

 

――近年、遺品整理にまつわる悪徳業者が増えているといわれています。

 

遺品整理の現場では、故人が大切にされていたモノをタダ同然で回収業者に持っていかれるトラブルが多発しています。そのほとんどが電話・訪問営業によるもので、特に狙われやすいのが女性や高齢者。一般の方は、実際にどんなものに価値があるのか、わからない方も多いと思います。買い叩きの被害を防ぐためにも、信頼できる業者を見極めた上で遺品査定を依頼するのがベストです。

 

今回の出版は共著者である佐藤さんにお声をかけていただいたことがきっかけです。訪問買取や相続の際に起こる遺品整理でのトラブルや対処法を知っていただきたいという想いから出版に至りました。

 

――訪問買取や遺品整理のトラブルが多いゆえに、まずはお客様に信頼していただくことを大切にしていらっしゃる近藤さん。仕事をするうえで、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

 

私が顧客の立場ならば、「モノに対する想いをしっかり聴いてくれる」「納得のいく説明をしてくれる」「誠実な対応で気持ち良いコミュニケーションがとれる」ところにお願いしたいと思います。ですので、下記の6つを大切にして、日々仕事に取り組んでいます。

 

●ありがとうと笑顔をひとつでも多く、感動を届けること。

●正直に、誠実に、謙虚にコミュニケーションを大切にする。

●好奇心をもち、成長と学びを楽しく追求する。

●情熱、勇気と強い意思を持ちチャレンジする。

●当たり前のことを徹底的に取り組む。

 

また、真贋を見極める力、あらゆるものに対しての感覚を養うために、日々商品知識を蓄え、感性を磨いていくことを必須の努力としています。

 

 

――本書では、「思いがけず価値があるモノ」の紹介や「損する遺品整理、得する遺品整理」を事例とともにわかりやすく解説しており、読んでためになる情報が盛り沢山です。執筆するうえで注意したことはありますか?

 

遺品査定士としても活動している中で、終活や生前整理・遺品整理も含めて、どこに焦点を当ててお伝えするのが良いかをまとめるのに苦労しました。まずは遺品整理に焦点を当て、「価値がつきやすいモノの情報」や「起こりやすいトラブルと予防策」、「遺品整理を依頼する際のポイント」を事例ベースでまとめました。自分なりにではありますが、想いと共に分かりやすく伝えたつもりです。

 

――最後に読者に伝えたいメッセージをお願いします。

 

やはり生前での資産を整理しておくことが、残されたご家族への配慮につながるのではないでしょうか。モノの価値をしっかり次世代へ伝えることが必要かと思います。あとは相続対策として、相続を専門として扱われている士業やコンサルタントの方と一緒に話し合いをしておくことが大切かと思います。

 

 

佐藤良久、近藤俊之、幾島光子、石川宗徳、森田努、島根猛 著

『円満相続を叶える正しい知識』

 

 

「相続登記と遺言を行なうメリットってなんだろう?」
「相続した不動産、売るべき?売らないべき?」
「信頼できる税理士の見極め方を知りたい」
「不動産価格を巡って意見が分かれてしまった」
「倉から掛け軸を発見。誰に相談すればいい?」
「会社を任せられる後継者がいない」

「対策が難しい相続」に悩む人は、決して少なくありません。本書では、司法書士・不動産コンサルタント・税理士・不動産鑑定士・遺品整理士・事業承継コンサルタントの6名が、事例と共に相続に関する悩み解説。大切な資産と人間関係の守り方を教えます。

 

幻冬舎ルネッサンス新社 代表取締役社長

企画編集室・室長を経て現職。代表取締役となった現在も、毎月10冊以上の書籍編集に携わる。手がけるジャンルはノウハウ書、旅行記、写真集、絵本など幅広いが、特に得意としているのは小説と自叙伝。著者の出版目的を満たすことを重要視し、書き手と細かく議論を重ねる編集スタイルが特徴。これまで多数の重版実績を持つ。

著者紹介

連載いま激増する「社長作家」――その実像を探る