前回は、銀行が融資の際に重視するポイントについて説明しました。今回は、自社の強み等を銀行に伝えるための「事業計画書」の書き方を見ていきます。

将来のビジョンを伝える「事業計画書」

自社の事業を見つめ直し、健全に成長させるためにも「事業計画書」は作りましょう。事業計画書がなくても日々の仕事はできるし、会社は動いていきます。しかし、そのビジネスは利益を創出し続けていけるでしょうか? 答えは否です。

 

ビジネスには波があり、良いときも悪いときもあります。調子の良いときに浮き足立たないで地に足を着けたビジネスを行い、調子の悪いときに倒れず、踏みとどまれるようなリスクヘッジをしておくことが大切です。そのためには、先を見越した計画性のある事業ビジョンが不可欠です。

 

事業計画書は融資を申し込む際の銀行への提出資料としても必要です。

 

そもそも融資は「今後、事業をこういう方向に持っていきたい」という目的が先にあって、それを達成するために必要となってくるものです。ですから、事業計画なしに融資というのは本来あり得ないことです。

必要なのは論理的な自社アピール

銀行に融資の申し込みに行くとき、「おたくからお金を借りられないと、うちの会社はダメになってしまう」「助けると思って融資をしてくれ」と情に訴える社長がいますが、それで融資をしてくれる銀行は、今の時代にはもうないと心得てください。第1章でもお話ししたように、銀行もビジネスでの融資ですから、情にほだされてお金を貸すようなことはしません。

 

単に「業績が落ちてお金が足りないから貸してください」「新しい機械を買いたいから借りたい」では、銀行がNOと却下するのは当たり前です。銀行が聞きたいのは、社長が「いかに苦しくて困っているか」ではなく、「苦しい状況をいかにして打開していくつもりなのか」なのです。ですから、情ではなく論理で話すことを心掛けましょう。

 

社長が自社の状況や社会情勢をどう読み、どんなふうに今後を切り拓こうとしているのかを見極める資料として、銀行は事業計画書の提出を求めています。

本連載は、2016年11月10日刊行の書籍『銀行に好かれる会社、嫌われる会社』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

銀行に好かれる会社、嫌われる会社

鈴木 みさ

幻冬舎メディアコンサルティング

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