税金 節税
連載スゴい「節税」【第41回】

パソコン買い替えの節税――「税額控除」か「特別償却」か?

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パソコン買い替えの節税――「税額控除」か「特別償却」か?

パソコンを新規購入する場合、税金そのものを減らす「税額控除」、あるいは固定資産としてのパソコンを通常より多く早く償却する「特別償却」といった制度の活用が可能です。 今回は、パソコンの購入に関する節税について見ていきます。

パソコンは買い替えのほうが手間も費用も安くつく

パソコンの買い替えというのは、個人でも企業でもけっこう頻繁です。どんどんOSは新しくなるし、新しいものほど安くて早いCPUを積んでいますから、やはり仕事の効率を考えると新しいものが欲しくなるのは当然でしょう。 
 
古いパソコンも、メモリを増設したり、ハードディスクを増設したり、OSやソフトをアップグレードすれば、それなりに長く使うこともできますが、パソコンの知識も必要になりますし、社員全員のパソコンを同じようにアップグレードしていくのはたいへんな手間です。場合によっては、全部新しく買い替えたほうがむしろ安上がりで、効率もいい、という場合も多いのです。 

新規購入時に活用できる制度とは

ここでは、パソコンの「新規購入」に関しての節税を考えてみます。

ひとつは税金そのものを減らす「税額控除」、もうひとつは、固定資産としてのパソコンを通常より多く早く償却する「特別償却」です。 たとえば、2012年4月1日の法令「中小企業等投資促進税制」によれば、コンピューターシステムなどのIT設備を120万円以上購入した場合、「特別償却制度」もしくは「税額控除制度」のどちらかを使うことができることになっています。

簡単に説明すると、次のようになります。

 

●特別償却制度

償却限度は30%増しになります。たとえば、取得価額の合計額が200万円のパソコンの場合、電子計算機の減価償却年数は6年、定率法では0.333ですから、単純計算をすると初年度は66万6000円が減価償却できることになります。ここに、特別償却分の30%分を上乗せできるわけですから、200万円×0.3=60万円を上乗せすることができ、合計126万6000円を一気に減価償却できることになります。

 

●税額控除制度

購入額の7%相当額(法人税の20%を限度とする)が免税となります。同様に取得価額の合計額が200万円のパソコンで計算してみると、取得価額の7%ですから14万円になります。法人税から直接、14万円を差し引くことができるわけです。

 

どちらが得かは、その企業の法人税額などによって異なるために単純比較はできません。創業間もない企業で、法人税を納めるところまで利益が上がっていないといった企業は、迷わず特別償却制度を利用すべきです。 
 
特別償却制度と、税額控除制度を「両方同時に」使うことはできないので、どちらかを選ぶことが必要。ここがちょっと迷うところですが、あいにく税務署も居酒屋と同じで「クーポンは1人1種類」と決まっているのです。 
 
ということは、税額自体を減らす税額控除か、税金の総額は減らないけれど早めに経費にできる特別償却かのどちらかのクーポン1枚利用が可能になります。 
 
どっちを使うかはその会社の経営状況しだいですが、ざっくりいえば、その期だけの節税効果ならば、特別償却を利用したほうが得ですが、数年単位で考えると税金そのものが減る税額控除を利用したほうがいい、ということになります。なお、税率などは異なってきますが、この制度はリース物件にも適用されます。 
 
こうした制度は、前述の通り毎年改正されるものが多いので、会社のパソコンをまとめて買い替えるときは、税理士や税務署の窓口などで相談してみてください。

本連載は、2012年12月19日刊行の書籍『スゴい「節税」』から抜粋したものです。その後の税制改正は反映されておりませんので、ご留意ください。

GTAC

GTAC(ジータック)とは、株式会社幻冬舎総合財産コンサルティング(GENTOSHA TOTAL ASSET CONSULTING Inc.)の略称。出版社グループの強みを生かした最先端の情報収集力と発信力で、「中立」「斬新」なサービスを相続・事業承継対策からM&A、国内外の不動産活用といった手法を駆使し、顧客の財産を「防衛」「承継」「移転」するための総合的なコンサルティングを行う。編著・共著に『相続税をゼロにする生命保険活用術』『究極の海外不動産投資』『法人保険で実現する究極の税金対策』『スゴい「減価償却」』(いずれも幻冬舎メディアコンサルティング)など。GTAC公式サイトhttp://gentosha-tac.com/(写真は代表取締役の山下征孝)

著者紹介

連載スゴい「節税」

スゴい「節税」

スゴい「節税」

編著 GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

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