「未払費用」を活用した節税法とは?

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「未払費用」を活用した節税法とは?

決算時に調整できる費用として「未払費用」の計上があります。意外に見落としがちな費用もありますので、今回は、未払費用を計上するための条件について見ていきます。

集めれば意外と大きな金額になる「未払費用」

2月決算を直前にして経費の調整で悩んでいるのは、都内の広告制作会社のY社長です。 
今期は利益がかさんで、課税所得額が想定外に大きくなってしまいそうです。とりあえず、未払費用をかき集めてみようということになりました。 
 
「とりあえず未払費用をかき集めてくれ。社員の社会保険料の未払い分なんかもみんな計上したのか。ちりも積もれば山となるだ。会社中の未払費用を集めるんだ!」
 「社長、年契約している家賃1年分を前払いするのはどうですか」
というのは経理担当のKさんです。
 「1年分って400万円近くなるぞ。キャッシュはあるのか」
 「それは大丈夫です。問題は、税務署が認めてくれるかどうかですね」 
 
すでに紹介した棚卸資産の評価損や有姿除却と同様に、決算時に調整できる節税対策として「未払費用」の計上があります。この未払費用などは、意外とルーズな処理をしている場合が多いようです。 
 
従業員の給与だけでなく、社会保険料の会社負担分や従業員が使った交通費や交際費、宣伝広告費なども、精算処理を急がせて、未払費用として決算で処理してしまうと、意外と金額的に大きくなるものです。さらに、家賃とか賃貸料、利息なども未払費用として計上することが可能です。

未払い費用は条件を満たした上で計上する

未払費用は「一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供を受けた役務に対して、いまだ対価の支払いを行っていないもの」であり、給料賃金のうち計算期間が1日から月末締め以外のもの、賃貸借契約に基づく支払い地代家賃、金銭消費貸借契約に基づく支払利息、コンサルティング契約に基づく支払手数料などが、これに相当します。 
 
つまり、未払費用には一定の条件があり、その条件を満たしていることが求められます。次のような条件さえ当てはまれば、かき集めて計上してしまうことです。

 

●債務が確定していること・・・期末までに支払い義務が確定しているもの

 

●期末までに原因となる事実が発生していること・・・期末までにその債務に基づいて具体的な給付原因となる事実が発生しているもの

 

●金額の合理性があること・・・社会保険の会社負担分のように、その金額が合理的に算出できるもの。

 

これらの条件をクリアしているものは、未払費用として計上できると考えていいでしょう。 

 

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    本連載は、2012年12月19日刊行の書籍『スゴい「節税」』から抜粋したものです。その後の税制改正は反映されておりませんので、ご留意ください。

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