今回は、時代とともに変化してきた登記所(法務局)の内部についてお伝えします。※本連載は、山本芳治氏の著書『増補改訂版 公図・不動産登記簿の読み方・調べ方』(ビジネス教育出版社)の中から一部を抜粋し、不動産登記簿と公図の調査方法をご紹介します。

80年代末より登記情報の電子化が進む

◆昭和63年不動産登記法の改正


昭和63年に不動産登記法および商業登記法が改正され、法務大臣が指定する登記所では登記事務が電子情報処理組織(コンピュータ)によって処理されることとなりました。


注:不動産登記法及び商業登記法の一部を改正する法律(昭和63年7月1日施行)


これは、ますます増えてくる登記事務に対応するため、また登記簿の管理のうえから登記情報をディスクに保存することとし、バインダー式登記簿は廃止されました。昭和63年10月、東京法務局板橋出張所を第1号としてスタートし、平成20年3月末にすべての登記所がコンピュータ化されました。

かつては古くて暗い建物も多かったが・・・

◆登記所の内部はどのように分かれているか


さて、皆さんは、今ようやく登記所にたどり着きました。たいがい最寄り駅からは遠い不便な所に登記所はあります。やれやれと思ったところ、特に1980年代後半のバブル時代には登記所の不動産関係の窓口は人でごった返していました。謄本をとるまでに1時間や2時間待たされることはざらでした。


当時は業務量の増加にくらべ、人手不足で大変だといわれていましたが、平成20年4月から一部の登記所において登記簿等の公開に関する事務(乙号事務)が民間委託され、平成23年度以降、全国の登記所で民間委託されています。


昔は、そういっては失礼ですが、古い、きたならしい建物が多かったのですが、最近は立派な建物に改築されてきています。また合同庁舎といって、いくつかの国の出先機関といっしょになっているところもあります。内部はどこでも同じような造りになっています。


1階が商業登記で、2階が不動産登記とか、同じフロアで、商業と不動産の登記部門が分かれていたり、また、商業も不動産も同じ受付のところもあります。なお、前にお話ししたように不動産登記しか扱っていない登記所もありますので十分注意してください。

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