相続財産を余分にもらえる「寄与分」の概要

今回は、相続財産を余分にもらえる「寄与分」の概要を見ていきます。※本連載は、池田税務会計事務所の代表税理士の池田俊文氏の著書『50歳からの相続・贈与の本』(駒草出版)の中から一部を抜粋し、大切な家族と財産を守るための相続や贈与に関する法律知識や税金知識を幅広く紹介します。

被相続人への貢献の度合いに応じて受け取れる

寄与分とは、被相続人の長い病気療養生活を支えたり、認知症を患わずらい老後の面倒を長年にわたり看てきた相続人が、法定相続分のほか、貢献の度合いに応じた相続財産を余分にもらえる増加分のことです。

 

この「寄与分」が請求できるのは相続人だけで、相続権のない兄弟姉妹や子どもの妻(嫁)が同じ貢献をしても、寄与分として財産をもらうことはできません。また、相続放棄した者、相続欠格者及び廃除された者も寄与分を主張する資格はありません。

 

ただ、寄与分を請求できる人に該当するからといって、寄与分がもらえるとは限りません。なぜなら寄与分は相続人の間で話し合って決めるからです。ほかの相続人は、寄与分を認めるとその分、自分のもらえる財産が少なくなるため、簡単には認めないものです。

 

しかし、一生懸命面倒をみてきた相続人と、まったく面倒をみなかった相続人とが同じ相続分では不公平となります。相続人の間で協議がまとまらないときは、相続人の請求によって家庭裁判所で決めてもらうことになります。

 

長女に1000万円の寄与分が認められた事例

<事例>

下記の図表2の事例を見てみましょう。被相続人は1億円の財産を残して死亡しました。相続人には、妻、長男、長女がいます。長女は、母が病弱なため会社を辞めて父の看護を10年間行ったため、1000万円の寄与分が認められました。

 

【図表2 長女に寄与分が認められた場合】

本連載は、2015年12月17日刊行の書籍『50歳からの相続・贈与の本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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池田税務会計事務所 代表税理士

1950年宮崎県生まれ。立正大学経済学部卒業後、宮崎市内のシーサイドホテルフェニックスでフロント会計に従事した後、税理士事務所勤務を経て、1996年池田税務会計事務所を独立開業。
相続においては、温厚で誠実な対応にクライアントから篤い信頼が寄せられている。相続セミナーをはじめ、各種経営セミナー講師としても活躍。監修書に『よくわかる相続・贈与の事典』(成美堂出版)がある。

著者紹介

50歳からの相続・贈与の本

50歳からの相続・贈与の本

池田 俊文

駒草出版

いつの日か誰もが死を迎えます。 大切な人を亡くした悲しみに暮れる間もなく待ち受けるのが「相続」という現実です。 亡くなった日から10カ月以内に、残された家族は相続人の確定と遺産分割の確定をし、税務署に申告書の提出と…

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