前回は、フィリピンの不動産会社との上手な付き合い方を解説しました。今回は、フィリピン不動産デベロッパーの「リーシング」事業の実力について考察します。

デベロッパーの設定家賃がロスを生むケースも

最近、デベロッパーがリーシング事業を始めています。たとえば、Aというデベロッパーが「Aレンタルホーム」といった形で、賃貸仲介も行い家賃の市場価格を固定化させているのです。

 

具体的に言えば、賃料設定が7万ペソなら「私たちの会社は絶対に7万ペソ! 値引きはしません」という状態です。そういう会社に丸投げしてしまうと、残念ながらリーシング事業は難しいでしょう。

 

 

というのも、オーナーから見れば、頑なに値段を落とさず1年間もお客様が付かないなら、5000 ~1万円ほど家賃を落として、1年間回すほうがよいのです。デベロッパーのリーシング事業部が頑なに設定家賃を守ることで、そのようなロスにつながってしまいます。

きちんと物件を稼働させていけるのか?

フィリピンの大手デベロッパー各社は、日本でも様々なセミナーを行っています。そして自社のリーシング事業を餌に、集客を行っているのです。日本人からすれば「現地の大手デベロッパーが管理や客付けまでしてくれるなら安心だ」と思ってしまうでしょう。しかし実際に購入し、建ち上がってリーシングに出しても、家賃の問題でなかなか決まらない……そのような不都合が生じています。

 

私たちの会社にも、同様のお客様が多数相談に訪れています。たとえば市場価格22万ペソの物件を、20万ペソで借りたいという場合。デベロッパーのリーシング事業部に問い合わせると、やはり「22万ペソなので交渉不可です!」とはねのけられてしまいます。

 

ただし個人ブローカーやオーナーに直接交渉をすると、「OK ! 18万ペソでどう?」となる場合があります。「え、4万ペソも下がるの?」という差が出てくれば、当然融通が利いて安く借りられる部屋を選ぶことでしょう。

 

 

むやみに家賃を下げる必要はありませんが、きちんと物件を稼働させていくことは必要不可欠です。大手のデベロッパーがリーシング事業もやっているからと、そこに100%委ねるのは危険です。

 

私たちの会社でも、部屋探しをしているお客様には、良い物件を提供したいと考えています。オーナーのお客様にとっても、市場価格より多少下がったとしてもフル稼働するほうがよいのです。双方にとって最適な落としどころで決まるよう、努力をしています。

本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『億万長者になりたければ、フィリピン不動産を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

鈴木 廣政・渡辺 頼子

幻冬舎メディアコンサルティング

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