今回は、オシレーター分析で「売買のタイミング」を見抜く方法を見ていきます。※本連載は、IFTA国際検定テクニカルアナリストとして活躍する福永博之氏の著書、『ど素人が読める株価チャートの本』(翔泳社)の中から一部を抜粋し、「テクニカル分析」の基礎知識と分析方法を紹介します。

オシレーター分析とは「上下に振れる」テクニカル指標

これまでの連載で、ローソク足やローソク足を使ったトレンド分析について説明してきましたが、ここからは売買タイミングを教えてくれるオシレーター分析についてです。

 

オシレーター分析は、海外で生まれて日本に導入されたテクニカル指標で、このオシレーターを直訳すると、「振動するもの」や「振動子」といった言葉になりますが、この振動をテクニカル分析的に解釈すると、上下に振れるテクニカル指標といい換えられます。

 

では、上下に振れるとはどういうことかというと、以下のチャートを見るとわかるように、下限は0から上限は100までの間で上下に振れるテクニカル指標がオシレーター系チャートになります。

 

[図表]しまむら(8227)の日足チャートとRSI

 

なかには上限と下限がないものもありますが、基本的には0から100までの水準のなかで動き、その水準によって売買タイミングを計るテクニカル指標になります。

「そろそろ売るか」の「そろそろ」を定義づける

ところでみなさんに質問ですが、一般的に株を買うタイミングや売るタイミングとはどういった状態を考えればよいのでしょうか。みなさんは売るタイミングや買うタイミングをどのように考えますか? 

 

よく耳にするのは、「そろそろ」という言葉です。「そろそろ下げ止まりそうだ」とか、「そろそろ売り時だ」とかです。

 

この「そろそろ」をみなさんなら、どのように定義づけしますか? 実は、この「そろそろ」を定義づけすることが非常に重要なのです。

 

なぜなら、定義づけできずに感覚的な判断になってしまうと、行き当たりバッタリになり、その日の気分で判断がぶれてしまったり、安定的に良い結果を導き出せなかったりすることになるからです。

 

そのため、どのような時でも客観的な定義づけによって導き出されたぶれない安定的な判断基準が必要なのです。そこで、このオシレーター系のテクニカル指標を用いるのが有効になります。

 

また、オシレーター系のテクニカル指標は、その成り立ちがシンプルで、初心者から中上級者まで幅広い投資家が利用できるテクニカル指標なのです。したがって、初心者はまずどういったときが買いどきなのかを知る上でもしっかり身につけておく必要があります。

ど素人が読める 株価チャートの本

ど素人が読める 株価チャートの本

福永 博之

翔泳社

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