(※写真はイメージです/PIXTA)

厚生労働省の発表によると、国民年金保険料の納付率は77.7%。つまり「約5人に1人」は国民年金保険料を支払っていません(2022年9月時点)。この年金保険料、未納のまま放置すると、老後に年金を受け取れないだけでなく、もっと恐ろしいことが……牧野FP事務所の牧野寿和CFPが、事例をもとに詳しく解説します。

法人化しても、65歳以降の「年金暮らし」は望み薄

続いて筆者は、Aさんの年金受給見込額を試算しました。

 

今後も60歳か65歳までフリーランス(個人事業主)として働き続ける方法もありますが、収入が十分にあるAさんは法人化し、厚生年金保険料を納付する選択肢もありえます。

 

出所:筆者が作成
[図表]Aさんの年金保険料を納付した時の受給見込月額 出所:筆者が作成

※1 厚生年金加入期間があるので、老齢厚生年金を受給。

※2 年収は、平均840万円(月額約70万円)とする。これ以上年収が増えても老齢厚生年金の受給額は増えない。

※3 60歳から65歳まで、国民年金に任意加入した場合。

 

65歳以上の単身無職世帯の収入は約13万4,915円。税金や社会保険料を含めた支出は15万5,549円です

 

試算の結果、Aさんが法人化したとしても、65歳以降は年金収入だけでは生活できず、貯蓄を取り崩す生活になるでしょう。したがって、収入のあるうちに税制優遇のある新NISAなども活用して、老後の生活費をつくっておくことが大切です。

※ 総務省「家計調査報告(家計収支編)2022年平均結果の概要」より。

 

未納を続けると強烈な“しっぺ返し”が…甘く見てはいけない公的年金

ひととおり話したあと、筆者はAさんに年金の役割についてもお話ししました。公的年金は、老齢年金のほか、万が一の場合は、65歳を待たず「障害年金」や「遺族年金」を受給することもできます。

 

Aさんは、「年金って年金以外の機能も備えているんですね。甘くみてました……これからはきちんと支払います」と言って帰られました。

 

国民年金保険料の負担額は決して安くなく、「払う必要があるのか」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、リタイア後の主な収入は年金です。

 

日本年金機構が「ねんきん定期便」などで知らせてくれる年金受給見込額は、老後のライフプランを作成するときのベースになります。年金を甘く見ていると、リタイア後にしっぺ返しを食らいかねません。

 

 

牧野 寿和

牧野FP事務所合同会社

代表社員

 

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※プライバシー保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。

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