【NG】髪型を変えた子に「前の方がよかった」と伝えた
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<シチュエーション>
アルパカさんとイヌさんは、好みが一緒で気が合う友達。似たような髪型や服装をして、「おそろいだね」と確かめ合うのを楽しんできました。
ところが、ある日イヌさんが髪型を変えてきて、アルパカさんはビックリ! 「一緒じゃなくなっちゃった」「前の髪型が好きだった」という残念さもあったので「あれ!?」と言ってしまいました。間違いに気づき、「前のほうがよかったのに」とつけ加えましたが、イヌさんは「似合っていないのかな…」と気にするようになってしまいました。
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【解説】
新しく始めたこと、前と変えたことは、相手がこれからの変化を期待してやっていることなんだ。大きく印象が変わったらビックリすることもあるけれど、チャレンジする姿勢も素敵だよね。何かを評価する時は、必ずポジティブ(前向き、肯定的)な言葉を使うように心がけよう。
言い換えのコツ
①変化の前後を比べない
⇒あなたに残念な気持ちがあっても、あえて伝える必要はないよ。前と比較してどちらがいいかではなく、どちらもいいと伝えよう(図表3)。
②ポジティブな評価だけを伝えよう
⇒「今」の相手のいいところを探して伝えよう(図表4)。本書『「表現力」に差がつく!12歳までに知っておきたい言い換え図鑑』108ページからのSTEP3「ほめポイント探しトレーニング」も参考にするといいよ。
【アドバイス】相手の気持ちを考えて「言わない」ことも大事
相手の変化について何かを伝える時は、ポジティブな言葉を選ぶよう心がけようね。でも、相手が「見て見て! どう?」と積極的に話しかけてこない時は、自分でも変化が気に入っていないか、不安に思っている可能性もあるよ。そういう時は、相手の様子をうかがってみよう。
「髪を切ったんだね」と話してみて、「そうなんだ! どう?」と返ってきたら、ポジティブな言葉で一緒に盛り上がろう! もしも「切り過ぎちゃったかな」と返ってきたら、「そうかな? 私はいいと思うよ!」など、相手が安心できる伝え方ができるといいね。
「そのことは言わないで!」など気にしている様子なら、「そういえば…」と話題を変えてふれないようにするのも、相手のことを考えた対応だよ。
言い換えにチャレンジ
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<シチュエーション>
その子は前から髪を伸ばしていて、みんな長い髪が素敵だと言っていました。でもある日、髪の毛を寄付するためにバッサリと切ってしまいました。
「もったいないよ! きれいな髪だったのに」…この言葉を、前項のコツ①②を踏まえて言い換えてみましょう(回答例は図表5)。
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【ポイント】決断の理由に注目しよう
相手の変化には、何か理由や決断があるはずだ。それを聞いてみよう。その理由に対して、あなたが感じたポジティブな気持ちを伝えるのもいいね。変化や理由に相手が納得できていないようなら、話題を変えてもいいよ。
齋藤 孝
明治大学文学部教授
1960年静岡県生まれ。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。著書に『語彙力こそが教養である』『小学3年生から始める! こども語彙力1200』(いずれもKADOKAWA)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『声に出して読みたい日本語』(草思社)、訳書に『現代語訳 論語』(ちくま新書)、『12歳までに知っておきたい語彙力図鑑』『12歳までに知っておきたい言い換え図鑑』『12歳までに知っておきたい読解力図鑑』(いずれも日本能率協会マネジメントセンター)など多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。
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