わが社もついに〈生成AI〉導入へ…「ダメだ、絶対ついていけない」脱落必至の50歳サラリーマン、将来を救う〈転職にまさる選択肢〉とは【公認会計士が解説】

わが社もついに〈生成AI〉導入へ…「ダメだ、絶対ついていけない」脱落必至の50歳サラリーマン、将来を救う〈転職にまさる選択肢〉とは【公認会計士が解説】
(画像はイメージです/PIXTA)

このところビジネス界隈を大いに沸かせている「生成AI」等の最新テクノロジー。若い世代が興味津々の一方、ついていけない中高年世代は仕事を奪われるのではないかと戦々恐々です。日本人の働き方の今後の展望について、企業経営に詳しい公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

勤務先が生成AIを導入予定。ついていけない中高年、恐怖する

生徒:先日、勤務先の営業部長から指示があり、業務の一環として生成AIを導入・活用する試みがスタートしました。若い世代は興味津々で大いに盛り上がっており、私もプロジェクトへの参加を呼びかけられています。

 

先生:それはいいですね、とっても楽しそう!

 

生徒:それが…。私はもう50歳なのです。このような新しい仕事のやり方に、とてもついていけるとは思えません。この際、給料は下がってもいいので、転職してAIなどとは無縁な仕事に就きたいのですが…。

 

先生:仕事の現場にもChatGPT等の生成AIの利用が増えてきましたが、これらを使う立場にある人は、大きく2種類に分かれるようです。まず、AIをフル活用しながらどんどん仕事内容も刷新し、しっかり稼ごうと考える人。そして、生成AIのことなどよくわからないから、給料は下がってもいいので、いまの仕事内容を変えたくない、と考える人です。中高年の皆さんのなかには、仕事内容を変えたくない、という方も多いのでしょうね。

 

生徒:私たち中高年は、これまで会社に命令された通りに働いてきました。社内調整は得意ですが、専門的な能力はそこまで高くありません。いまさらAIとか、デジタル技術の活用とかいわれても…(涙)。

 

先生:いまの50代のサラリーマンの皆さんは、日本的経営が全盛期の時代に就職し、完全なゼネラリストとして育成されました。おまけに終身雇用・年功序列でしたから、管理職の仕事は得意でも、現場の仕事をこなすことはできません。そのような方々に、生成AIを活用しろとか、リスキリングしてスペシャリストになれといっても、かなり大変でしょう。

生成AIの普及で、中高年の仕事は消滅するか?

生徒:生成AIの普及で、中高年の仕事がなくなるという話もありますが…。

 

先生:いや、さすがにそれはないでしょう。生成AIは、経営判断まで任せられる神様ではありません。人間より事務処理が速く、多少マシな意思決定ができる…といった程度のものですから。

 

生徒:どういうことですか?

 

先生:将棋のゲームを想像してください。いまやトップレベルの棋士よりもパソコンの将棋ソフトのほうが強いわけですが、将棋ソフトとはいえ、必勝法を持っているわけではありません。先々の指し手を読める、読む時間が高速である、長時間のゲームでも疲れない、感情の動きがなくミスしない…といった能力を持っているだけです。結果的に、人間に勝つ確率が高いというだけなのです。

 

生徒:それでも、いつかは「シンギュラリティが来る」といわれています。AIが人間を支配するような時代が来るのではないですか?

 

※ 人工知能がフィードバックを繰り返して自身を改良していくことで、人間を上回る知性が誕生するという仮説のこと。

 

先生:どうでしょう。それはわかりませんね。ですが、AIにすべてを完璧にやってもらうより、人間にやってもらうほうが楽しいこともあります。参加者全員が、藤井聡太さんより強いAIソフトを入れたパソコンを持参する将棋大会を想像してみてください。そんな大会、きっと面白くないですよね。

 

生徒:確かにそうですね…。

自分か、お金か…「どちらをリスクにさらすのか」という問題

先生:もうひとつ可能性が高いのは、AIの台頭により、サラリーマンのみなさんが簡単に転職する時代になるだろう、という点です。日本的経営が通用しなくなり、ジョブ型雇用を開始する大企業が増えているという状況もありますが、AIがビジネスに関する意思決定を適切に行うことで、ビジネスに伴うリスクが測定できるようになります。そうすれば、だれもが適切なリスクを取って事業を始められるようになります。

 

生徒:適切なリスク、ですか?

 

先生:現代の資本主義とは「リスクを回避したがる者が提供する価値を、リスクを取ってもいいと思う者が吸い上げる」という、経済循環の仕組みです。つまり、リスクを取る企業オーナーや株主が、リスクを回避したがるサラリーマンの価値を吸い取るシステムなのです。AIが適切なリスク評価を行うようになると、リスクを取らないことはビジネスとして間違いである、ということになります。

 

生徒:なるほど…。では、サラリーマンとして安定的に雇われて働く、という考え方はAIによって否定されてしまいますね。

 

先生:そうなると、リスクを取って起業する若者が増えるでしょう。リスクにさらすのは〈自分自身〉です。新事業に失敗したらやり直すことになりますし、会社をクビになったら転職することになります。収入が安定せず、生活できなくなるリスクが伴いますが、それでも、NISAに投資する資金のない20代の若者たちがリスクを取って稼ごうとすれば、自分自身に投資するしかないのです。

 

生徒:50代の私は、いまさら自分自身をリスクにさらす勇気がありません。どうすればいいでしょうか…?

 

先生:「自分のお金」をリスクにさらす、という選択肢があります。リスクを取ることでお金が増えます。銀行に預けているお金をNISA口座に移し、金融資産に投資するのです。AIを活用する企業の株価が上がれば、あなたの利益になりますよ。転職を考えるより先に、NISAへの投資を考えてはいかがでしょうか。

 

生徒:わかりました。ありがとうございます。

 

 

岸田 康雄
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

 

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