(※画像はイメージです/PIXTA)

医学部受験は受験生全体のレベルが高いため、1つの科目どころか、1つの分野でも抜けを作ってしまうと合格は困難となる、という特徴があります。試験本番に間に合うよう勉強するには、どうすればよいのでしょうか? 医学部医学科卒・綿谷もも氏が現役医大生時代に刊行した著書『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』(監修:高梨裕介氏)より一部を抜粋し、学習効率を上げる方法を紹介します。

学習効率を上げるためには「自己分析」が最も効果的

自己分析とは、「現状から自分に不足している点は何かを考え、それを改善する方法を見つけていく」というプロセスです。学習効率を上げる上で自己分析は最も効果的な手段ですが、その重要性に気がついている受験生は少ないようです。

 

自己分析の大切さを、野球を例に解説します。野球をしていて、「全然バットにボールが当たらない!」と悩んでいるとしましょう。

 

この悩みを解決するために、「とりあえずバッティングセンターでひたすら練習をする」というのは、少し効率が悪いように思いませんか?

 

打てるようになるためには、「なぜバットにボールが当たっていないのか」を考えることが重要です。打てない原因がわからないままでは、いつまで経っても練習の効率を上げることはできません。

 

打てない原因を分析してみると、バットの持ち方がおかしい、バットを振るタイミングがずれている、バットの振り方がおかしい…など、人それぞれダメなところが見つかるはずです。

 

うまくいかない原因が明らかになると、例えば「バットの持ち方が悪いので、持ち方を修正する」というように、適切な改善策を出して練習に活かすことができます。

 

この、「できない原因を考えてそれを改善する方法を見つける」というプロセスこそが自己分析です。

 

■テスト後に失点原因を分析しない受験生は、打てなかった原因を考えない選手と同じ

うまくいかない時、自己分析をして自分の問題点を変えられるかどうかにより、その後の伸び方は大きく変わります。

 

勉強で考えると、「試験を受けた後に分析をしているかどうか」というのは、成績の伸びに直結します。分析をもとにした勉強と、そうでない勉強では効率が全然違ってくるからですね。

 

しかし、受験生の話を聞いてみると、模試や定期試験を受けっぱなしにしている人が多い印象です。テストが返却されると点数や偏差値ばかりに着目し、失点原因の分析は行ったことすらない、という人も珍しくありません。

 

これでは、野球でいうところの「打てたか打てなかったか」という結果ばかりを気にして、「打てなかった原因」を考えていないプレイヤーと同じになってしまいます。

 

学習効率を上げるためには、自己分析が最も効果的です。テストで得点できなかった場合は、「どこで失点したのか?」「なぜ覚えられていなかったのか?」を分析してみてください。

 

具体的に分析することで、「自分に不足していたこと」と「次に何をすべきか」が明確になり、勉強の効率を上げることができます。

普段から自己分析をする習慣をつける

テスト後の分析が有効であるのはもちろんのこと、実は、受験においてあらゆることに自己分析は役立ちます。

 

日ごろの勉強の内容、問題集を進めるスピード、科目ごとのバランス、勉強時間や睡眠時間などの生活習慣、学校の勉強と塾の勉強の両立方法など、分析できることはいくらでもあります。

 

例えば、「問題集の進め方」ひとつ取っても、分析をしている人としていない人では習得度に大きな差が生まれます。

 

同じ問題集を使っていても、人によって成績の伸びの違いが生まれてしまうのは、「取り組み方を常に改善しようとしている人」と「取り組み方を変えず、ただ問題集を繰り返して満足している人」では何倍もの差が生まれるからです。

 

何も考えずにただ問題集を繰り返すだけでは、得られる効果には限りがあるため、分析をして取り組み方を変えていく必要があります。

 

先ほど、分析はあらゆることに役立つと言いましたが、分析するにあたってベースとなる考えは共通しています。

 

分析の基本となる流れは、

1. 現状の問題点を明らかにする

2. 問題点を解決するための改善策を考える

3. 改善策を実行する

4. 改善策を実行できたか、改善策は適切だったかを分析する

です。

 

そして、分析は行えば行うほど効果的です。毎月、毎週、毎日、勉強の区切りごとに分析する習慣をつけるとよいでしょう。

 

■分析する習慣をつければ、分析の質は徐々に上がっていく

一つ覚えておいていただきたいこととして、「最初から完璧に分析できる人はいない」という点があります。

 

はじめは、何を分析すれば良いか、この改善策であっているかが分からず、うまくいかないこともあるかもしれません。

 

そこで諦めてしまうのではなく、分析する習慣をつけていくことで、分析の質は徐々に上がっていきます。

 

 

【執筆】綿谷 もも

医学部医学科卒。数学が大の苦手で、高3の冬に受けた模試では偏差値39を取ってしまうほど。エースアカデミーで1年間浪人し、センター試験本番で90%以上を達成、関東の難関国立医学部、難関私立医学部に合格。

医学部入学後はエースアカデミーの医学生講師として6年間受験生を指導し300人以上の医学部合格に貢献。その経験をもとに、医学部在学中に書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』を執筆、出版。将来の夢は小児科医。アイドルと猫が好き。

 

【監修】高梨 裕介

医学部予備校エースアカデミー 塾長、医師

医師/大阪医科大学卒、初期研修修了後に創業。

中学受験経験(灘、東大寺、洛南、洛星中学に合格)。

自身の医学部受験の反省を活かし、350名以上の医学部合格者を指導。医学部合格のためのよりよい指導をより安く提供することを理念としてエースアカデミーを設立。

※本連載は、綿谷もも著・高梨裕介監修の書籍『医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物』(幻冬舎ルネッサンス)より一部を抜粋し、記事化したものです。

医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物

医学部受験バイブル 現役医大生からの贈り物

綿谷 もも(著)
高梨 裕介(監)

幻冬舎メディアコンサルティング

【医学部に「最短距離」で合格する方法、教えます。】 現役医大生(※書籍刊行当時)の筆者が、自身の医学部受験経験、塾の講師として医学部受験生を指導してきた経験をふまえて、医学部受験に「本当に必要なこと」を徹底解…

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