NWBオフィスの正面玄関にて撮影


アジア最大級のヘッジファンド運用会社として知られるGOTEX(ゴテックス)のトップインタビュー。第5回目のテーマは「これからのヘッジファンド戦略」。聞き手は、日系資本の香港現地銀行として5月に開業したニッポン・ウェルス・バンク(NWB)の中島努CEOである。

リキッド・オルタナティブで低手数料を実現

マックス 中島さん、突然ですが、世界で最も成功しているアセットアロケーターについてご存じですか?

 

中島 ハーバードやイェールなどの基金を運用している機関投資家ですね。

 

 

マックス その通りです。彼らの成功の秘訣は何か? それはズバリ、彼らの資産配分の50%はオルタナティブ、つまり先ほど申し上げたような非伝統的な資産クラスに投資していることに理由があります。これこそがマルチアセット戦略の真骨頂です。

 

過去2年間、私たちはリキッド・オルタナティブというコンセプトに注力してきました。リキッド・オルタナティブは、毎日の高い流動性を通して、ヘッジファンドの運用収益を生み出します。収益が10%とすると、2%が運用管理報酬で、残りは8%になります。成功報酬が20%だとすると、残り8%のうちの1.6%になり、結局6%ちょっとのリターンしか残りません。このように、伝統的なヘッジファンドのマネージャーは、二種類の手数料を投資家に請求するので、投資家から見ると非常に高いコストを払っていることがわかります。

 

マネージャーが請求するこの手数料によって、投資家は瞬時にアルファ(超過収益)を失います。一方でリキッド・オルタナティブは、投資家に非常に低い手数料でヘッジファンドと同じような経済効果を提供します。通常のヘッジファンドは、投資家の設定・解約の頻度が、月次か四半期であることが多いですが、ゴテックスは、極めて低い手数料で、日次の設定・解約に対応できる戦略を生み出しました。ヘッジファンドと同じようなリターンを、年率1%の手数料で投資家に提供できるので、面白い試みではないかと考えています。

 

中島 それは、素晴らしいですね。

 

マックス 実は、この戦略の最初のお客様が日本の投資家だったんです。GOTEX(ゴテックス)がやっていることは、ヘッジファンドのプロフィールを作成する、ただそれだけのことですが、それが他社と差別化を図ることに繋がっているのかもしれません。

今後はファンドのSFC登録も視野に

中島 最後に、投資のプロフェッショナルをターゲット顧客とする運用会社、ゴテックスが目指すものをお伺いできますでしょうか。

 

 

マックス ヨーロッパでは複数のリテールファンドを提供していますが、SFC(香港証券先物取引先物委員会)の登録を受けているファンドを保有してはいません。ゴテックスは現在、SFC登録のファンドを視野に入れています。中国と香港間のファンド相互承認協定により、香港でファンドが登録されれば、改めて手続きをしなくとも、中国の投資家にファンドを販売することができますので、より効率的です。こうした動きは今後も増えると思いますし、御社にとっても関係のあるお話かもしれませんね。

本稿は、個人的な見解を述べたもので、GOTEXおよびNWBとしての公式見解ではない点、ご留意ください。

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