アジア最大級のヘッジファンド運用会社として知られるGOTEX(ゴテックス)のトップインタビュー。第3回目のテーマは「アジアのヘッジファンドの特徴」。聞き手は、日系資本の香港現地銀行として5月に開業したニッポン・ウェルス・バンク(NWB)の中島努CEOである。

「小さな市場規模」が多くの収益機会を生む

中島 アメリカやヨーロッパの投資家は西側諸国のヘッジファンドと比較して、アジアのヘッジファンドをどのように捉えていますか。また、アジアのヘッジファンドにはどのような特徴がありますか。

 

マックス まず一つ目の特徴としては、アジアのヘッジファンドは、全体的に市場が非効率的で、規模も小さく、発展途上にありますので、良いパフォーマンスを生み出しやすい環境に身を置いていると捉えています。規模が小さいということは、ファンド間の競争が少なく、収益機会が多いということを意味します。

 

 

中島 運用する側からすれば、プロが少ないほうが市場が非効率で裁定機会に恵まれるということですね。

 

マックス 同時に、それゆえのリスクを伴っています。

 

全般的に見れば、アジアのヘッジファンドは、グローバルヘッジファンドよりも良いパフォーマンスを上げています。我々は2000年からアジアのヘッジファンドに投資をしてきましたので、現在で15年になります。興味深いのは、グローバルヘッジファンドは、相対的にパフォーマンスが低い傾向にあり、どれも同じような動きをし、価格変動の相関性が高いです。例えば、アメリカのどのヘッジファンドも、収益率の分散は、大体4~8%のレンジに収まるので、非常に小さいです。

 

一方、アジアのヘッジファンドの収益率の分散は、非常に大きいです。ですから、ゴテックスのような(数あるファンドから良いファンドを選別する専門知識がある)会社には、ベンチマークを上回る運用成果を生み出す機会が広がります。

高度なデューデリが必要となる小規模ファンドへの投資

マックス 二つ目の特徴は、アジアのヘッジファンド市場は発展途上ということもあり、サイズの小さい小回りの利くマネージャーにチャンスがあるということです。

 

 

一般的にヘッジファンドに限らず、あまりに大きな金額を運用するファンドは、大きなリターンを得ることが難しくなります。そのため、もし収益機会を最大化しようと考えるのであれば、運用規模が2億米ドル(約240億円)といった、より小さなファンドに投資する必要があります。しかし、小規模なファンドに投資することは、高度なデューデリジェンス(適正評価手続き)のスキルと経験が必要です。数多くのヘッジファンドが、生まれては消え、を繰り返してきているのを、我々はずっと見てきました。そういった小さなファンドに投資するリスクを考えて、投資家は経験豊富なゴテックスを訪ねてくるのです。

本稿は、個人的な見解を述べたもので、GOTEXおよびNWBとしての公式見解ではない点、ご留意ください。

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