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連載土地の適正な「評価額」を踏まえた相続税対策【第3回】

土地の評価区分における「三つの原則」とは何か?

評価区分相続税借地権借家権租税回避

土地の評価区分における「三つの原則」とは何か?

前回は、土地の評価を下げる「評価区分の工夫」について考えました。今回は、土地の評価区分における「三つの原則」について見ていきましょう。

相続税の評価を行う上で適用される9種類の地目とは?

評価区分の分け方には、三つの原則があります。一つ目は地目ごとに評価すること。筆にも登記法によって地目が設定されています。宅地、畑、田、雑種地などです。

 

相続税評価の際の地目と非常に似ていますが、この筆による地目を使うわけではありません。現況を見て判断します。だいたいは筆による地目と同じになりますが、中には地目が畑のままでも、家が立っているケースもあります。

 

このようなケースでは、固定資産税も宅地と同じ水準で課税されており、相続税の評価も宅地として評価します。相続税の評価を行う上で適用される地目は9種類です。

 

〈地目〉
 1 宅地
 2 田
 3 畑
 4 山林
 5 原野
 6 牧場
 7 池沼
 8 鉱泉地
 9 雑種地

 

建物が立っているところは宅地、畑をやっていれば畑、コメを作っていれば田、木が生えているところは山林……となり、どれにも該当しないものが雑種地となります。雑種地には、駐車場やコンテナ置き場、資材置き場などとして利用している土地などが該当します。

 

二つ目は、地目が宅地と判断された場合に、その宅地の部分をどうするかということになります。宅地は利用の単位ごとに評価をします。自分で使用している土地は自用地となり、自用地は隣接していれば一つにまとめて評価します。

相続発生後の上手な土地の分割が節税になる理由

人に貸している土地は借地権が生じますので、借地権者ごとに分けて評価します。貸家の立っている土地は借家権が生じますので、借家権者ごとに分けて評価するのです。ただし、アパートのように1棟に何軒も入居しているような場合には、1部屋ごとに分けることは難しいので、棟ごとに評価します。

 

ここで面白いのが、親族に無償で貸している使用貸借の土地です。使用貸借は借地人に権利がないため、土地所有者が自由に返してもらえると考えられており、結果、自用地として扱われます。親族が使用貸借の土地に貸家を建てていても、その貸家に生じる借家権は考慮されず、自用地扱いになります。

 

三つ目は取得者ごとです。相続の際には、相続人が資産を分割して相続しますが、その取得者ごとに分けます。その分割方法や割合は相続人が話し合って自由に決めることができます。評価も資産を取得した人ごとに行います。

 

つまり、上手に土地の分割をすれば、節税をすることができるのです。地目や宅地の利用の単位は相続発生時の現況で判断されますから、相続発生後にはどうすることもできません。

 

しかし、分割方法は相続発生後に相続人が話し合いで決めることができるので、上手に分割すれば節税につながることもあるのです。ただし、評価を下げるための不合理な分割は、税務署に租税回避とみなされて否認されますので注意が必要です。

本連載は、2015年7月1日刊行の書籍『相続税から土地を守る生前対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

下坂 泰弘

税理士 一級建築士 宅地建物取引主任者

ハウスメーカーで約20年間営業職に従事し、地主向けの土地活用ノウハウを積み上げる。業務の中で、相続税申告の際に税理士が適正な土地評価を行えず、不当に相続税が高くなってしまうという事実を知り、自らの力で地主を救うべく税理士資格を取得し独立。以来、首都圏を中心に数多くの地主の土地相続をコンサルティングしてきた。不動産の専門知識に基づいた土地評価に強みを持ち、他の税理士からの依頼も含め約2000カ所の評価を経験。数千万円単位の評価減を達成したケースも多数あり。

著者紹介

連載土地の適正な「評価額」を踏まえた相続税対策

相続税から土地を守る生前対策

相続税から土地を守る生前対策

下坂 泰弘

幻冬舎メディアコンサルティング

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