資産運用における自分の「リスク許容度」を見極める方法

前回は、開業医の資産形成における7つの視点のうち、4つ目の「投資スタイル」について説明しました。今回は、5つ目の「リスク許容度」について見ていきます。

専門的な知識なくしてリスク許容度の判断は難しいが…

投資可能額、期待できるリターンで判断する「リスク許容度」投資スタイルが決まれば、次は自分自身がどこまで資産運用でリスクを容認できるのか「⑤リスク許容度」を設定します。たとえば、一見リスクゼロのように思える預貯金であっても、その金融機関が倒産する可能性はありますし、再三指摘している「インフレ」は、最大のリスクと言えます。

 

そこで重要になってくるのが、リスクの許容度です。開業医としてのステージや年齢、子供の年齢といった具合に、置かれている状況によって受け入れられるリスクの大きさは異なってきます。また、金額によってもリスク許容度は大きく異なってきます。たとえば、親から莫大な財産を相続した人、開業し始めの人、あるいは子供の大学受験を控えている人などのリスクは、当然のことながら大きくなります。

 

それぞれ自分のリスク許容度がどれぐらいあるのか、金融機関などで判定してもらえる場合もありますが、少なくとも独自に、専門的な知識を持たずに判断することは難しいかもしれません。

投資可能額からリスクの許容度が判定可能!?

しかし「目安」を割り出す簡単な方法がいくつかあります。自分が投資できる金額をシミュレーションしてみるのもそのひとつです。投資できる金額には「初期投資可能額」「毎月投資可能額」の2つがあり、自分自身の投資可能額によってリスクをどの程度受け入れられるのか、その範囲を知ることができるのです。

 

【初期投資可能額】

現在保有している「資金総額」から、今後必要となる「必要資金」を差し引いたものです。必要資金というのは、たとえば子供の学資の総額、結婚支援、あるいは納税予定といった、将来の生活費とは別の「予想される大きな支出額」です。

 

仮に、現時点の金融資産が5000万円あったとしても、子供の教育費などに4000万円程度かかりそうな場合は、初期投資可能額は1000万円ということになります。1000万円の初期投資額があれば、ある程度の資産運用が可能になりますが、その場合、その1000万円が最悪ゼロになってしまってもいいのか、あるいは50%までなら損失が出てもなんとかなるのか、この判断によって「リスク許容度」が決まります。

 

「初期投資可能額」は、文字通り投資を始めるにあたり、初期段階でどの程度の資金を投資できるかを確認するものです。投資できる金額が大きい人は、必然的にリスク許容度も大きくなっていきますが、その一方で初期の投資可能額は自分自身の投資パワーを知ることができるいい機会になります。

 

次回は、資産形成で投資可能額を算出するポイントについて説明していきます。

本連載は、2015年8月4日刊行の書籍『開業医のための資産形成術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

株式会社インベストパートナーズ 執行役員・ゼネラルマネージャー

株式会社インベストメントパートナーズ 執行役員・ゼネラルマネージャー。
1972年福岡県生まれ。2006年に株式会社インベストメントパートナーズ設立メンバーとして参画。これまでに500人以上の個人開業院長、医療法人理事長に事業改善、人生設計をサポート。医院形態、規模、年代、地域性など、集積したデータをもとに実践的資産形成の設定を行う。2014年には公益法人日本医業経営コンサルタント協会認定登録。

著者紹介

連載7つの視点から見る「開業医の資産形成」

開業医のための資産形成術

開業医のための資産形成術

恒吉 雅顕

幻冬舎メディアコンサルティング

かつて開業医は医師のなかでも勤務医より収入が圧倒的に多く、リタイア後の悠々自適な生活が保障されていたことから、将来安泰な職業だと言われてきました。しかし今、税制改革による富裕層への増税や、2025年問題へ向けた医療…

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