今回は、一般の人がお目にかかれないような物件も存在する「競売市場」で留意すべき点を見ていきます。※本連載は、株式会社ワイズ不動産投資顧問の代表取締役・山田純男氏、弁護士・竹本裕美氏の共著、『プロが教える競売不動産上手な入手法』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、不動産を格安で手に入れることができる、簡単・安心な競売のノウハウをご紹介していきます。

無価値に等しい「使用借権付建物」も存在

貸ビルで悠々自適といううらやましい人の話を聞くと、結構競売により、その物件を取得していたりすることがある。そういったいわば成功者は、競売市場からお宝を探し当てた幸運な人たちといえるだろう。私たちも是非あやかりたいものだ。では、競売市場には実際にそんなお宝があるのだろうか? 答えは“イエス”である。ただし、見る目があっての話だが・・・。

 

通常、私たちが、土地や家を買おうと思うとき、まずはお目にかかれない物件が、不動産競売市場にはある。例えば、借地権付の建物だが、地主から明渡しの収去訴訟を起こされているものなどが入っている。

 

こんな物件は、一般的にはまず売られることはない。買ったはいいが「場合によっては、借地権がなくなってしまいます」、というのでは、普通では売り物にはなるまい。もちろん裁判所もこういった物件はその分、安くはしている。しかし、少なくとも一般の人の購入検討からは外れるべきものだろう(こういった物件、つまり係争物件と呼ばれるものは、評価上「係争減価」というものが為され、安くなっている)。

 

もっとひどいのになると、使用借権付建物というのもある。これなどは借地権とは違い、そもそも地主に「建物を壊して、土地を明け渡せ」といわれれば、従わなければならない薄弱な権利の物件で、理論上、価格は出されるものの、実際は無価値に等しい。破格に安い物件は要注意である。

自分がこれと思う物件を探し当てるのは至難の業

他にも共有持分のみの競売不動産などというのもある。一つの不動産を複数人で持っていて、その一部分の共有持分のみが、売却されるというものだ。利用するにも、処分するにも、他の共有者との協議が必要であり、これも一般向きとはいえまい。

 

また、先ほどの借地権付の建物の場合の逆で、借地権が設定されている、いわゆる「底地」も登場する。これは、自らはその土地を利用できない特殊な土地である。裁判所の閲覧室には、こういった変わり種(?)の物件が平然と、その他の物件と区別されずに並んでいる。「競売不動産は安い」というのもすべてには、決して当てはまらない。

 

前述のような、いわゆる「キズ有り」物件は安かろう悪かろうであろうし(料理の仕方で、大化けしてしまうこともあるが・・・)、不動産価格の下降局面においては、権利的欠陥がない物件であっても、結果的に一般市場より高くなってしまう場合もある。

 

さらに、特に古くて小さな店舗・事務所や工場などはいくら安価でも買い手は限られるわけで、これもまた一概に「安い」とはいえない(競売不動産にはこういうものが結構多い。)。逆に不動産価格上昇局面において、物件によって競落できる価格が一般市場並みに高くなってしまうこともある。

 

こういった中で、自分がこれと思う物件を探し当てるのは、あたかもボロ市で掘出し物を見つけるのと似ている。不動産における、あらゆる知識と経験をフルに活用し、目利きをするのである。こういった点が、競売不動産の難しいところであるが、一方では、挑戦してみたくなる魅力の部分ともいえるだろう。

本連載は、2015年3月7日刊行の書籍『プロが教える競売不動産の上手な入手法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

プロが教える競売不動産の上手な入手法(改訂第11版)

プロが教える競売不動産の上手な入手法(改訂第11版)

山田 純男,竹本 裕美

週刊住宅新聞社

裁判所の競売不動産には、優良物件が多く眠っています。安くてよい不動産を安全に手に入れるチャンスは、誰にでもあります。本書は、入札手続から落札までを時系列で追い、手続書類の書き方や具体的なケーススタディをふんだん…

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