不動産経営をするうえで悩ましい問題の一つに、テナント退去時の突発的な費用負担などのリスクがあります。今回は、「0円賃貸」を導入することでどのように解決できるのかについて見ていきます。

敷金・礼金は本来、入居者からもらう必要のないお金

オーナーに0円賃貸の説明をすると、「オーナー側のメリットはよくわかった。しかし御 社はゼロ円で大丈夫なのか」と不思議に思われることがあります。中には、契約後に何か理由をつけて新たなお金を請求されるのではと不安に思われている方もいるかもしれません。もちろんその心配はまったくありません。

 

オーナーからいただくのは、繰り返すように成約家賃3か月分の入居促進費、家賃5%の管理費、会費(原状回復をオーナー自身で行う場合は会費必要なし)です。会費制を選択された場合、原状回復工事の際に設備交換の必要性が生じたときはその費用を請求しますが、それ以外にかかる突発的な費用負担は一切ありません。

 

入居者が早期退去した場合、別途オーナー側の負担が生じるのではと心配される方もいます。しかし、入居者が早期に退去する場合も、1年以内であれば家賃2か月分、2年以内であれば家賃1か月分を違約金として入居者に請求するため、オーナーの負担はありません。入居時の初期費用を家賃以外ゼロ円にすると、本来は入居者が支払っていた敷金、礼金、火災保険料、家賃保証契約料、玄関鍵交換代、消毒代、仲介手数料をどうするのかという問題が生じます。

 

敷金・礼金は、本来は入居者からもらう必要のなかったお金ですから、誰かが代わりに支払う必要はないと考えました。残りの火災保険料、家賃保証契約料、玄関鍵交換代、消毒代、仲介手数料はオーナーが負担した入居促進費3か月分のうち2か月分で賄い、足りない分は当社が負担します。つまりオーナーの立場で言えば、入居促進費を2か月分多めに負担することで入居者メリットを高め、「入居者に選ばれる物件づくり」を自ら行っていることになります。これまでは仲介会社の営業マンへの「広告料」を増やすことしかできませんでしたが、入居者を見た物件づくりができるようになったということです。

「仲介業務を行わない不動産管理会社」のメリット

では当社の利益は何なのかと言えば、まず当社は仲介業務を行わないPM型管理会社(※)なので、利益の柱は管理費です。それに加えて毎月の会費となります。

 

さらにリフォーム工事の受注です。大量発注でスケールメリットを発揮し、工事コストを 削減することで、利益を生み出すといった経営手腕が当社に問われています。すなわち、当社にとっては0円賃貸という物件競争力を高めるプランを打ち出すことで入居率を高めめ、管理戸数が増えることが最大のメリットなのです。

 

※PM型管理会社

プロパティマネジメント型管理会社の略。不動産仲介業務を行わず、不動産管理に特化した会社。

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    本連載は、2015年12月10日刊行の書籍『入居希望者が殺到する驚異の0円賃貸スキーム』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    入居希望者が殺到する 驚異の0円賃貸スキーム

    入居希望者が殺到する 驚異の0円賃貸スキーム

    池田 建学

    幻冬舎メディアコンサルティング

    大家が抱える最も悩ましいリスクは空室だが、これまで賃貸不動産で客付けをしようと思えば、「家賃を下げる」「リノベーションなどをして付加価値をつける」「広告料を仲介会社に多く払う」方法しかありませんでした。 にもか…

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