入居者を確保するために安易に家賃の値下げをすると思わぬトラブルを引き起こすことがあります。「0円賃貸」を活用することで費用に対するトラブルのみならず様々な入居者リスクを回避する措置を見ていきます。

安易な家賃の値下げは入居者トラブルのリスクを高める

0円賃貸の説明をオーナーにすると、「初期費用ゼロにすると入居者トラブルが増えないか」と心配される方がいます。しかしその心配は必要ありません。実際に仲介店舗に足を運ぶ入居者でトラブルになりやすいのは、月々の費用をできる限り抑えるために家賃の極端な値下げを要求される方が多いからです。

 

0円賃貸の場合、初期費用は必要ない代わりに、月々の家賃の値下げは極力行いません。住まいに価値を見出して月々の家賃は支払うけれど、価値を感じない費用に関しては支払いたくない―そうした価値観の入居者層、言い換えると比較的優良な世帯をターゲットとしています。


さらに、0円賃貸が対象とする入居者のボリュームゾーンは家賃5万~12万円の入居者層であり、所得が低すぎる入居者は対象ではありません。初期費用をゼロにするより、家賃を値下げするほうが入居者トラブルのリスクは高まると考えてもらってもいいでしょう。


価格設定のリスクは賃貸業界に限りません。デフレ時代に大幅な値下げを行ったファストフード店や牛丼チェーン店は業績を向上させましたが、材料費の高騰などで値上げを余儀なくされるたび、売上が低迷する危機に何度も直面しています。一度でも値段を下げるとその価格に魅力を感じる顧客層が付き、低くなった価格ラインから抜け出せなくなるのです。その意味でも、値下げは高度な経営判断と戦略が求められるといえるでしょう。

苦情・騒音などのトラブルは緊急コールセンターで対応

そのほか、家賃の値下げは思わぬ入居者トラブルも引き起こします。家賃を下げて募集したことが既存の入居者に知られてしまった場合、同じように値下げを要求される可能性が高くなります。自分が住んでいる物件の入居者募集情報をネットで確認している既存入居者もいますから、安易な値下げによる募集はトラブル誘発リスクを抱えていると考えてください。

 

0円賃貸を導入した場合、苦情・騒音といった入居者トラブルは24時間の緊急コールセンターで対応するので安心です。管理会社によっては、入居者対応は営業時間の夕方6時頃までと制限を設けているケースもあるようです。その場合、夜中に入居者からオーナーに直接連絡が入り、対応に振り回されるといった問題が出ています。0円賃貸は24時間対応なので夜中に起こされることもなくなります。さらに入居者には家賃保証会社に加入してもらうため、オーナーにとっては滞納が発生しても家賃収入が減ることはありません。

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    本連載は、2015年12月10日刊行の書籍『入居希望者が殺到する驚異の0円賃貸スキーム』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    入居希望者が殺到する 驚異の0円賃貸スキーム

    入居希望者が殺到する 驚異の0円賃貸スキーム

    池田 建学

    幻冬舎メディアコンサルティング

    大家が抱える最も悩ましいリスクは空室だが、これまで賃貸不動産で客付けをしようと思えば、「家賃を下げる」「リノベーションなどをして付加価値をつける」「広告料を仲介会社に多く払う」方法しかありませんでした。 にもか…

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