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連載老後の財産を守るための「任意後見」活用術【第2回】

事例で見る法定後見制度の「後見」とは?

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事例で見る法定後見制度の「後見」とは?

前回は、判断能力が低下した人をサポートする制度として「成年後見制度」について解説しました。今回は、法定後見制度のうち「後見」制度について見ていきます。

判断能力が失われている人に適用される「後見」制度

成年後見制度は、法定後見制度と任意後見制度の2つに分かれます。法定後見制度とは、判断能力が失われつつあるか、あるいはすでに失った人で、自分自身で後見人を選ぶことが困難な場合に利用されます。

 

法定後見制度は、「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれており、判断能力に応じて制度を選べるようになっています。ここでは、判断能力が失われている人に適用される「後見」制度についてご説明しましょう。

申し立てに基づいて家庭裁判所が後見人を選任

本人:アルツハイマー型認知症
申立人:妻

本人は5年前からアルツハイマー型認知症に罹患しています。3年前からは妻の顔も分からなくなり、自宅で生活することが困難になったため、施設に入所しています。先ごろ、本人の父が亡くなり、一人息子である本人が相続することになりましたが、資産より負債の方が多いため、相続放棄をした方がいいのでは、と妻は考えました。

 

しかし本人に判断能力がないため、本人が相続放棄の手続きをすることができません。そこで妻が弁護士に相談したところ、「そういう場合は<後見>の申し立てをするといい」とアドバイスされ、家庭裁判所に後見開始の審判を申し立てることにしました。

 

家庭裁判所の審理の結果、本人について後見が開始され、これまで財産を管理してきた妻が後見人に選任されました。これによって、本人を代理して法律行為ができるようになったので、無事に相続放棄の手続きをすることができました。

 

事例にもあるように、法定後見制度は、誰かが家庭裁判所に審判を申し立て、その申し立てに基づき家庭裁判所が後見人を選任する制度です。申し立てができるのは、法律上では、「本人、配偶者、四親等以内の親族、検察官、市町村長」などですが、現実的には後見の申し立てを、判断能力を失った本人がすることは考えにくいので、配偶者や子どもなど身近な人が行うことになるでしょう。

 

後見人に選任された人は、本人の利益を考えながら、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、本人がした不利益な法律行為(悪徳商法の業者から高額商品を買うなど)を後から取り消したりすることによって、本人を保護したり、支援したりすることができます。この事例でも、妻が後見人になることで、本人の相続放棄の手続きを代理で行うことができました。

本連載は、2015年11月25日刊行の書籍『老後の財産は「任意後見」で守りなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

眞鍋 淳也

南青山 M’s 法律会計事務所 代表社員 弁護士/公認会計士

弁護士・公認会計士。南青山M’s法律会計事務所代表。芦屋大学経営教育学部客員教授。
1973年愛媛県生まれ。1995年一橋大学経済学部卒業。2006年成蹊大学にて法務博士号取得。1995年監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入社、上場企業の監査、M&A等に携わる。その後、会計事務所、法律事務所勤務等を経て2009年に南青山M’s法律会計事務所を設立。個人、企業にとって身近な法律問題はもちろん、税務問題、会計問題、それらが絡み合う複雑な問題についても、冷静に問題を分析し、依頼者にとって最も利益となる問題の解決方法を提案、実践している。著書に『ドロ沼相続の出口』(幻冬舎)。

著者紹介

連載老後の財産を守るための「任意後見」活用術

老後の財産は 「任意後見」で守りなさい

老後の財産は 「任意後見」で守りなさい

眞鍋 淳也

幻冬舎メディアコンサルティング

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