今回は、株式投資にあたって「バランスシート」に着目する際のポイントを解説します。※本連載は、スパークス・アセット・マネジメントが配信しているメルマガ「スパークス投資情報」と、代表取締役である阿部修平氏が出版した書籍『暴落を買え』をもとに、株式投資家が必ず知っておきたい「いい会社を選ぶ7つの基準」を説明します。

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優れた財務内容は、投資評価の大きなプラス要因

1.有利子負債が少ない、強固なバランスシート

 

いい会社を選ぶ基準その3、それは「有利子負債が少ない、強固なバランスシートを持っている」ということです。

 

 

まず、強固なバランスシートとは何かを整理していきましょう。

 

真っ先にイメージされるのが無借金経営です。借入過多の企業では、余剰資金は返済に回さなければなりません。一方で、無借金で余剰資金を抱える企業は、成長に必要な設備投資に資金を振り向けてなお、自社株買いや増配など株主還元を行うことが可能となります。またM&Aを行うことで成長機会を見出すことも考えられるでしょう。

 

また、リーマンショックのように金融システムが機能不全に陥った場合、健全な企業でさえ、資金調達が出来ずに経営が行き詰まるケースが散見されます。つまり、融資先が閉ざされたとしても自力で企業価値を高められる会社が投資対象として望ましいことが理解できます。

 

このように、財務内容が優れている企業は常に多くの選択肢を持つことが可能であるため、投資対象として評価する上で大きなプラス要因となります。

 

しかし、負債による資金調達は、資本の生産性を高め、企業経営の効率性を高めます。企業が新規事業を始め、既存ビジネスを成長させるために金融機関の力を借りることはある種当然のことです。

 

また、現在は金利水準が低いため、有利子負債はそれほど企業の負担になるとは言えません。

 

では、投資の目線から、有利子負債をどう見ればよいのでしょうか?

「ビジネスの種類」で最適な有利子負債の水準は変わる

2.最適な有利子負債の水準を理解する

 

重要な観点は、“企業が『有利子負債に依存することで』存続が確保されているのか、それとも『ビジネスモデルによって』存続が確保されているのか”ということです。

 

 

競争力を維持・向上させるために多額の投資を必要とする企業よりも、わずかな追加投資で成長を持続できる企業のほうが価値の高いビジネスであると言えますが、ビジネスの種類によって、最適な有利子負債の水準が変わってくることを理解しなければいけません。

 

比較的リスクの高いビジネスであれば、過度な有利子負債は避けられるべきですが、常に安定した日用品を扱うようなビジネスであれば、ある程度の有利子負債は許容されると考えられます。

 

例えるなら、銀行業とゲーム会社の負債比率を単純比較してはいけない、ということです。

 

設備投資などに必要とされる資金需要がキャッシュフローを上回る場合は、外部より負債調達を行うことで充当する必要があり、反対に資金需要をはるかに超えるキャッシュフローが創出されるケースでは、余剰資金が生まれることになります。

 

企業経営者が自らのビジネスを理解し、市場の成長性、企業収益の質、経営戦略を踏まえた上で、必要な資金を調達、調達コストを上回る収益を創出、維持することが出来るか、その見極めが投資において非常に重要だということです。

 

次回は、「高い参入障壁に守られたビジネスであること」に関して説明します。

 

 

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