NZの人々を悩ませる「賃貸物件不足」と「家賃高騰」の現状

現在ニュージーランドの人々は、賃貸物件不足による家賃の大幅な高騰に悩まされています。そこで今回は、家賃の値上げに四苦八苦する家主の現状と、具体的にどの程度家賃が高騰しているのかを見ていきましょう。

短期契約を結ぶことで、少しずつ家賃値上げを図る家主

ニュージーランドでは、住宅不足により賃貸物件の数が足りていない状況が続いています。家賃はますます上昇し、家主主導で賃貸運営をしています。

 

 

賃貸契約は期間固定契約、または「ピリオディック」という期間を限定しない契約方法の2つがあります。以前までは、ほとんどの家主は長期で借りてもらうことを望んでおり、1年〜2年と固定契約をしたものでした。

 

しかし今では、最初の契約時のみ6ヶ月の契約固定をし、その後ピリオディック契約への移行を望む家主が多い状況となっています。その理由は何なのでしょうか?

 

理由①

長期契約で家賃保証があることは非常にありがたいものの、その入居者の質がわからない。一旦長期契約をしてしまうと契約解除が簡単にできないため、短期契約にとどめ、質を見極めた上で長期契約へと進む。

 

理由②

家賃値上げのチャンス。一家族が契約を保持している中で、180日以上経つと家賃値上げの権利を待つ。ただ、家賃値上げを告知すると入居者が出ていく可能性が高いので、良い入居者と判断すれば、最初の家賃額は2年~3年は保持する。

 

やはり家賃を上げたいと思ったら、短期契約に留め、次の入居者探しの時に家賃を少しづつ上げていくのが良さそうです。ここで言う質の良い入居者とは、家を綺麗に使える、かつ修理事項があっても入居者が修理できる人々のことです。自分で所有する家のように使用してくれるのが理想でしょう。

 

使い方が荒く何か破損しても、器具の寿命なのか使い方のせいなのか証明できないため、結果的に家主負担で修理したり器具の交換をすることになってしまいます。

 

実態はこのような内情のため、賃貸管理をしている会社としても、入居者選びは重要ですし、正直なところ永住権を持っていない外国人には貸したがりません。勤務先がしっかりしたところか吟味した上で、外国人への賃貸をすることが多いです。

 

内覧をし、アプリケーションフォームという書類にテナント候補の状況を記載し、身分証明を確認して入居者探しの確定をしていきます。複数の希望者が来ますと、収入の多い方を選択したり、面談によって管理マネージャーが選択していきます。

 

そういう面では、投資物件を購入される家主様にとっては、安心できる状況で毎年家賃も上がり、投資率も効率よくなります。

 

もう少し具体的な話をしますと、固定契約をしている場合は、期日がくるとそれで契約解除となります。ピリオディック契約の場合、入居者側は3週間前に解除の申し出をします。家主側は物件売却をする場合、42日前に解除の申し出をします。ただ実際は、期日に余裕を持ち45日前に申し出るのが普通です。

 

他の理由である場合は、90日前に解除の申し出をするという規則がありますので、家主も入居者も、ある程度短期で契約解除ができる仕組みとなっています。

 

ただ、入居者の立場からすると、やっと家に慣れ長期で住みたいと思っていた矢先に、45日以内、長くとも90日以内で出ていかねばならないため、立場としては非常に弱いものとなります。

 

「住む家は他にもある」という思考で簡単に引越しをする人もいますが、長期滞在を好む日本人入居者にとっては非常にやっかいな規則です。引越し代もばかにならず、労働の手間もかかります。

 

ただ2019年より、入居者を守るため家の質の向上を目的に、隙間風の多い木造建築の家は断熱材設置を義務化することとなりました。さらには火災報知機の義務化も奨励し、入居者の快適な生活を守るために改善が進んでいます。医療費は国が負担する仕組みとなっているニュージーランドとしては、居住空間の不備で風邪を引いたり、病の発症を防ぐため、このような政策を実行した次第です。

 

20年前に比べ家賃は2倍近くに…若者は共同生活を選択

20年前に移住してきた頃、1LDK家具付アパートメントの家賃は、週200NZドル~300NZドルの相場でした。現在では、同等レベルの部屋の家賃は、週350NZドル~450NZドルとなっています。

 

 

一戸建ての場合、週400NZドルも払えば3LDKの家に住めました。しかし今では、最低でも週600NZドル・・・良い立地なら週800NZドル以上するという状況にあります。週1000NZドル~1500NZドルという高額な家賃も、学区の良い海辺の地域の平均家賃となっています。週2000NZドルもする家も多々ありますが、マーケットが小さいとはいえ借り手は存在しています。

 

物価高でどうしても物件を借りる余裕のない若者は、3LDKの一戸建てを共同で借り、暮らしていることも多いです。

 

物件を借りて一人で住むより、共同生活して情報交換できるライフスタイルの方が良いという声も多く、若い世代は共同生活に抵抗なく暮らしているようです。

 

投資物件を購入したところで入居者が定期的につくのか、という心配の声も聞きますが、賃貸物件不足、家賃高騰に悩まされているニュージーランドの大都市や近隣の街では、賃貸運営は安泰と言えるでしょう。

 

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Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長

1982年、大阪女学院短期大学英語科卒業。カリフォルニア大学デイビス校留学。帰国後、旅行会社のツアーコンダクターに従事。1987年、ニュージーランドツアーの添乗を機に、移住希望を持つ。

1995年1月の阪神・淡路大震災を経験し、1996年に移住を実現。 自己の居住用物件さえあれば、落ち着いて生活ができると感じ、ワンルームマンション購入を実行。その経験を生かし、不動産業界に参入。当時インターネット環境が整いつつある中、日本語ウェブサイトを開設し、留学・観光・不動産投資についてのコンサルティングを始める。

現在、ニュージーランドの大手不動産売買仲介会社であるHarcourts New Lynn(ハーコウツ・ニューリン)支店にてセールスコンサルタントとして活動しながら、日本人のための投資コンサルタント会社Goo Property NZの代表としても活躍中。

著者紹介

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