生まれ変わる中古物件・・・NZ「リロケーションハウス」の実例

連載第88回で、家の外枠だけを残した「リロケーションハウス」の売買が注目を集めていると説明しましたが、今回は、著者が実際に「リロケーションハウス」を設置した事例を紹介します。

大型トレーラーで運ばれる「リロケーションハウス」

今年のニュージーランドの冬は雨が多く、風邪も大流行しましたが、最近になって桜をはじめとした花々が住宅地や公園で咲き始め、サマータイム開始と共に春を感じています。

 

 

そして人々は、クリスマスホリデーの計画と共に、住居の引越し計画も検討し始めます。我々不動産販売業者にとっては今が超繁忙期。物件売却では購入者の意見を聞いたり、営業方法を検討したりと、色々な準備で忙しい日々を送っています。

 

連載第88回で「リロケーションハウス」について紹介しましたが、弊社開発中のリロケーションハウスが、ついに現場にやってきました。

 

 

 

連載第88回でご紹介した約1000㎡の土地を二分割にし、既に建っている家を後ろに移動、前の部分にリロケーションハウスを設置することで、同じ敷地内に2戸の物件を設置しました。2戸目の土地がほぼ無料という計算になり、家賃収入も2軒分入るため効率がよく、将来的には登記上も2分割することで、家を個々に売却し利益を上げることも可能です。

 

リロケーションハウスというのは、噛み砕いて言えば中古物件のことです。内装を改装して新築同然にし、2軒目として設置します。

 

今回のリロケーションハウスは、オークランドの南のパパクラという街から、約2時間半かけてやってきました。夜中に移動したため、家に着いたのは午前3時ごろ。弊社専属ビルダーが既存の家で寝泊りし、物件の到着を待ちました。

 

午前3時に物件が到着したということで、近所の方が眠りについたころに塀をドリルで壊す音が鳴り響きました。

 

「近所の皆様にさぞ迷惑をかけているのだろう・・・」と心配したビルダーでしたが、真向かいの家主のご主人がやってきて「おもしろい光景を見せてもらったよ」とクレームどころか、感動の声をいただいたそうです。

 

大型トレーラーで家が移動し、自分の家の前にやってくるのを見るのは初めてだったようで、ご近所ではまるでお祭りを見たかのような反応でした。正直、我々としてはお詫び行脚にいかねばならない状況ですが、ここはニュージーランド。そういったことは気にしない国民性なのです。

 

通り隔てた奥の通りでも、同じようにリロケーションハウスが1軒移動されてきて、この近辺は、今後リロケーションハウスの設置が流行るのではないかと考えています。それはつまり、既存の家のほとんどが1000㎡の土地に建っている証拠でもあります。

 

昔はそれが当たり前で、オークランドもほとんどがそうでした。しかし都会であるため、この20年の間に土地の二分割、三分割は既にされており、オークランドのセントラル地域は分割が完了したと言っても良い状況です。

 

ワイカト地方の分割はまだこれからです。交通の利便性がよく、お手ごろ価格だと思われる地域はどんどん開発が進み、リロケーションハウスを販売している業者も複数あります。新築を建てるよりお手ごろで、かつ登記へと進むスピードが速いため、重宝されているのです。

 

日本ではすぐに解体するような家でも、ニュージーランドでは綺麗に内装を整え、リロケーションハウスの仲介業者へ販売します。「解体工事費を払うよりも、少しでも高く売りたい」と考える家主は多いです。

 

中にはびっくりするような状態の中古物件もありますが、改装工事によって新築かのように蘇るさまは感動ものです。

 

 

 

上記の写真は一例ですが、内装がこのような状態の物件を購入する気になれますか? 日本の方は「考えられない」と口を揃えて言います。

 

しかしここニュージーランドでは、このような物件はお宝なのです。基礎を使い、板を追加して、きれいにペンキ仕上げし、最新式のキッチン機材、バスルーム機材を設置し、カーペットや床は磨き上げるなどして改装するのです。

不動産投資の知恵も問われる「ミニ開発」

さて、ここからはホットな物件情報を見ていきましょう。今回はテアロハの物件を紹介します。

 

この家は、1168㎡の土地に3LDKとスタジオの家が建っています。その家の後ろには広い庭があり、塀を越えると後ろの家の家主が800㎡の土地を販売しています。

 

 

 

 

現在のままでは、この800㎡の土地には1軒分しか建てられません。しかし、この1168㎡の家を同時に購入すれば、4軒の建築認可が下りる可能性もあります。

 

現在の規則では、1戸につき土地は500㎡必要ですが、今の状況でも32㎡足りないだけですので、市役所が融通してくれる場合もあります。

 

しかし、後ろの800㎡の土地は、オークション売りとなります。両方の物件を同時に購入できるわけではないため、不動産売買の知恵を使う必要があります。

 

ミニ開発はいくつかの課題をクリアしなければなりませんが、良い方へ向くと利益率も高いので、ニュージーランドの不動産投資家たちは、今日もこのような家屋を求め、動いているのです。

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Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長

1982年、大阪女学院短期大学英語科卒業。カリフォルニア大学デイビス校留学。帰国後、旅行会社のツアーコンダクターに従事。1987年、ニュージーランドツアーの添乗を機に、移住希望を持つ。

1995年1月の阪神・淡路大震災を経験し、1996年に移住を実現。 自己の居住用物件さえあれば、落ち着いて生活ができると感じ、ワンルームマンション購入を実行。その経験を生かし、不動産業界に参入。当時インターネット環境が整いつつある中、日本語ウェブサイトを開設し、留学・観光・不動産投資についてのコンサルティングを始める。

現在、ニュージーランドの大手不動産売買仲介会社であるHarcourts New Lynn(ハーコウツ・ニューリン)支店にてセールスコンサルタントとして活動しながら、日本人のための投資コンサルタント会社Goo Property NZの代表としても活躍中。

著者紹介

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