領収書を紛失・・・経費精算はあきらめるしかないのか?

領収書の提出や経費の精算は、仕事を持つ人々にとって身近な手続きですが、知識不足等から思わぬ損をしている人も少なくありません。本連載は、公認会計士・税理士の梅田泰宏氏の著書『知らないとヤバい!領収書・経費精算の話』(PHP研究所)の中から一部を抜粋し、領収書にまつわる基礎知識や経費精算のルールについて解説します。

代用できるものはいろいろあるが、「コピー」はNG

「領収書」と印字されたものだけが、領収書の役目を果たすわけではありません。客観的に見て、お金のやりとりがあったという証拠を示せるだけの材料があれば、税務申告でも認められます。

 

つまり、「税務申告では手書きの領収書しか認められない」というのは大きな誤解なのです。実際、「領収書の代わりになるもの」「領収書の役目を果たすもの」は、意外とたくさんあります。

 

たとえば、支払いを現金振込で済ませた場合は振込明細書が、預金口座から振り込んだ場合は通帳の記録が、領収書代わりに使えます。その他、領収書代わりになるものについては、次項以降で詳しく説明します。

 

したがって、領収書を紛失しても、それに代わるものがあれば問題ないということです。

 

ただし、領収書のコピーは認められません。コピーには内容を改ざんする余地があるからです。

 

たとえば、数字の「1」に線を書き足して「7」にしたとしましょう。オリジナルのままなら、うまく改ざんしたつもりでも痕跡を見抜くことは難しくありません。しかし、オリジナルを改ざんし、それをコピーしたものだと非常にわかりづらくなります。

 

それに「コピーもOK」となれば、一枚の領収書を何枚もコピーして、何度も繰り返し精算することができてしまいます。

 

実際には一度しか精算していなくても、「その可能性がある」ということが問題なのです。税務調査が入ったときにコピーが見つかれば、確実にアウトです。

 

「念のために領収書のコピーをとっておいて、オリジナルを紛失したらコピーのほうを提出すればいい」というわけにはいかないのです。

「領収書の再発行」を気軽に考えてはダメ

領収書を紛失し、それに代わるものもないとなれば、お店に再発行をお願いするしかありません。

 

ただし、お店側に再発行の義務はありません。「なくしたのはあなたの落ち度であって、うちでは応じられません」と言われれば、それまでです。

 

お店が再発行に応じてくれたとしたら、それはあくまでサービスなのであって、客の側が強要できることではないのです。

 

特に、そのお店で本当に買い物をしたのかどうか、証明できるものを持ち合わせていない場合は、再発行をしてもらうのはなかなか困難です。

 

領収書のほかにレシートやクレジットカードの利用明細も受け取っていて、それらを保管してあれば話は別ですが、それ以外に「その店で、いつ、どんなものを、いくら購入したのか」を証明するものはありません。

 

ですから、「いざとなれば再発行してもらえばいい」などと気楽に考えるのはやめておいたほうが賢明です。

 

[図表]領収書をなくしてしまったら

図版・イラスト:桜井勝志

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連載知らないとヤバい!領収書・経費精算の話

梅田公認会計士事務所
税理士法人 キャッスルロック・パートナーズ
公認会計士・税理士 

1954年、東京生まれ。公認会計士、税理士。中央大学卒業後、監査法人中央会計事務所(現・みすず監査法人)入社。1983年、梅田公認会計士事務所を設立。企業における幅広いコンサルティング活動を精力的に行なう。2004年、社会保険労務士、司法書士との合同事務所「キャッスルロック・パートナーズ」を設立。2006年、税務部門を税理士法人として新たなスタートを切った。

著者紹介

図解 知らないとヤバい!領収書・経費精算の話

図解 知らないとヤバい!領収書・経費精算の話

梅田 泰宏

PHP研究所

領収書や経費精算についての知識を持っていると、 ●確認に余計な時間や労力を取られないので仕事が速くなる! ●無用なトラブルに巻き込まれることを防げる! ●周りの人から「さすが! 」と思われる! 本書は 「レシートっ…

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