相続人の確定・・・「相続人が外国人」の場合の準拠法は?

今回は、被相続人が日本人で、「相続人が外国人」の場合の相続人の確定方法について見ていきます。※本連載では、東京弁護士会法友会の編著書、『所有者不明の土地取得の手引―売買・相続・登記手続』(青林書院)の中から一部を抜粋し、不動産の相続について、相続人が外国人である場合や、被相続人が外国人である場合の対応について解説します。

被相続人が日本人の場合、日本法が準拠法となる

総論

 

被相続人が日本人の場合,相続人が外国人であっても,通則法36条により日本法が準拠法となる。

 

次のような場合,被相続人が日本人で相続人が外国人となる。①日本人が国際結婚した後,死亡した場合,②外国人が帰化した後,死亡し,外国籍のままの子がいる場合,③日本人女性が外国人の男性との間に子をもうけた後,死亡しているが,子をもうけたのが国籍法の改正前で,子が日本国籍を取得していないとき(他に婚外子のケースも想定される),④被相続人の外国籍の親又は兄弟姉妹が相続人となる場合で,被相続人が死亡前に帰化している場合,あるいは親又は兄弟姉妹が国籍を離脱している場合などが考えられる。

戸籍制度が基本的にない外国…存否を確かめるには?

相続人の確定

 

外国には基本的に戸籍制度がないので,相続人の存否は,一義的に明らかにできるわけではない。出生証明書などの資料を使って被相続人との関係を明らかにするものと思われるが,最終的には各相続人から相続人は自分たちのみであり他に相続人はいない旨の当該外国官憲の認証ある宣誓供述書をもって確定するほかないものと思われる(前掲山北・140頁)。

 

相続人について調査したものの,その所在が不明である場合(例えば,日本人である被相続人の除籍謄本に配偶者又は子として記載されている人の国籍が外国籍であるが,その人の所在がわからない場合)は,日本人の場合と同様に失踪宣告や不在者財産管理人制度の利用を検討することになる。

本連載は、2017年5月9日刊行の書籍、『所有者不明の土地取得の手引―売買・相続・登録手続』から抜粋したものです。稀にその後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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法友会は、昭和21年12月14日に創立された東京弁護士会内の任意団体であり、現在は、約2600名の会員数を擁する。政策提言、若手の業務活動の拡大、法律相談会の開催、出版など幅広い活動を積極的に行っている(写真は編集担当・黒須克佳弁護士)。

著者紹介

所有者不明の土地取引の手引 ―売買・相続・登記手続

所有者不明の土地取引の手引 ―売買・相続・登記手続

東京弁護士会法友会

青林書院

全国に点在する所有者不明土地。手続上の諸問題につき、相続、売買、登記、税務等の実務上の論点を整理した手引の決定版!取得したい土地の所有者の相続人が多数の場合や相続人の中に外国人がいる場合の対策についても解説。

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