前回は、景観との調和を重視した京都のデザイン規制を取り上げました。今回は、観光都市特有の建築規制が高める「京都不動産」の優位性について見ていきます。

厳密な規制によって成り立つ美しい街並み

前回の続きです。

 

このように、京都には世界的に有名な観光都市として、美しい街並みを維持するために非常に厳しい規制が存在しています。それ故に、住宅地としての価値も生まれているのですが、新規のマンション開発は他都市のように簡単にはいきません。

 

私は開発業者として、京都で開発を行うことの厳しさを日々痛感し、少々恨めしく思っている部分もあります。しかし、何も制限せず自由に建築を認めてしまうと、京都は京都らしさを失い、結局はどこにでもある都市と変わらない普通の街になってしまうでしょう。

 

独自路線で京都ブランドを守っていきたい、伝統を守っていきたい。そのような強い想いを持ち、目先の利益よりも恒久の美観を選び厳密な規制をしてきたからこそ、京都は古の風情を残した憧れの都市であり続けているのです。

建築の規制のために戸数が増えず、値崩れしにくい

東京、大阪などの大都市圏で高さ5、6ものビルが建てられる土地は、高価格で売買されています。多くの床面積を確保できれば、販売戸数や賃料収入が増え、収益性が高くなるからです。

 

しかし、これにはデメリットも存在します。投資の観点からいけば、戸数の多いマンションが集中すれば供給過剰となり、その地域にある一室の価値は下落していくのです。さらに、今後日本の人口減少が進めば、賃貸ニーズの少ない地域では空室が増え、家賃の値下げ競争が起こり、急激に収益性が悪化していく可能性もあります。

 

一方、京都では、厳しい建築規制があるおかげで、他の地域のように急激な開発が進み、100戸レベルの大規模マンションが次々と建つということはありません。それどころか景観を守るための建築規制は年々強化されているので、採算に合うような規格の集合住宅が建てられず、途中で計画がストップしてしまう業者もしばしばです。

 

従って、旺盛な需要があるにもかかわらず供給は不足しており、需給のアンバランスは年々大きくなっています。これは裏を返せば、厳しい規制の中で供給されるマンションは、一戸一戸の希少性が高く、家賃収入も落ちにくいと言えるのです。

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    八尾 浩之

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