相続のたびに「複雑化」する共有名義不動産の問題

前回は、共有名義不動産の問題解決が難航する理由を解説しました。今回は、相続のたびに「複雑化」する共有名義不動産の問題について見ていきます。

相続発生のたびに増加する「新たな共有者」

前回の続きです。

 

以上のような共有名義不動産に関するトラブルや問題は、世代を越えて引き継がれていく可能性が高いことに注意しなければなりません。

 

まず、共有名義不動産の共有者が死亡したとき、相続人がいない場合には、民法の規定に従って亡くなった共有者の持分は他の共有者に帰属します。たとえば、甲土地について共有者のX、Y、Zが3分の1ずつ持分を持っている状態で、Xが相続人のいないまま死亡した場合、その持分は、Y、Zのものになります。

 

一方、共有者が死亡したときに相続人がいる場合には、その持分は相続の対象になります。この例でいえば、XにX1、X2、X3という相続人がいる場合には、X1、X2、X3のそれぞれにXの持分が相続されることになります。その結果、甲土地は、以前からの共有者であるY、Zと、新たな共有者であるX1、X2、X3の共有になるわけです。

 

また、この後、Y、Zがそれぞれ死亡したときに相続人がいれば・・・さらにその後、X1、X2、X3がそれぞれ亡くなったときに相続人がいれば・・・同様に各自の持分は相続され、新たな共有者が加わっていくことになります。

未解決のトラブルも、新たな共有者たちに引き継がれ・・・

このように、共有名義不動産の持分は相続が発生するたびに細分化され、共有者の数は際限なく増えていく可能性があります。そして、相続前に解決されなかったトラブルは相続後も引き継がれるため、共有者の数が増えていくということは、トラブルの当事者も増えていくことを意味します。

 

一般論として、当事者の数が増えれば増えるほど、トラブルの解決は困難になっていきます。このように、共有名義不動産をめぐる問題は時間が経てば経つほど拡大し、泥沼化していくことが避けられないのです。

本連載は、2017年5月26日刊行の書籍『あぶない!! 共有名義不動産』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「不動産」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

「国内不動産」この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます

連載「共有名義不動産」のトラブル事例と解決策

株式会社中央プロパティー 代表取締役社長

1970年生まれ。
2011年に業界で唯一、共有名義不動産の仲介を扱う株式会社中央プロパティーを創業。弁護士、司法書士、不動産鑑定士などの専門家とともに問題解決に取り組む体制を確立し、現在までに約2000件のトラブル解決を手がける。
住宅ローンアドバイザー(社団法人全日本不動産協会認定)、相続アドバイザー(NPO法人相続アドバイザー協議会認定)。

著者紹介

あぶない!! 共有名義不動産

あぶない!! 共有名義不動産

松原 昌洙

幻冬舎メディアコンサルティング

「共有名義不動産」をめぐるトラブルがあとを絶ちません。 たとえば兄弟姉妹の場合、相続の際に現金資産はすぐに分割しても、実家などの不動産は「とりあえず共有で持とう」とするケースは珍しくありません。しかし、「仲の良…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧