共有名義不動産の問題解決が難航する理由

前回は、単独所有では起こりえない「共有名義不動産特有」の問題を紹介しました。今回は、共有名義不動産の問題解決が難航する理由を見ていきます。

使っていない不動産なのに、固定資産税の負担が…

前回の続きです。

 

また、不動産を共有している場合、固定資産税などの税金は共有者全員の連帯債務になります。納税通知は共有者の代表者に届きますが、そこに記されている税金の額をみなで負担しなければならないわけです。

 

課税対象となる不動産を住居などに利用しているのであれば「税金を払うのは仕方がない」と納得できるでしょう。しかし、共有している不動産が親から相続した実家の土地・建物のようなケースでは「そこに住んでいるのは兄貴だけなのに、自分も税金を負担している」という例が少なくありません。

 

もしそうであれば、「なぜ、自分が使ってもいない不動産のために税金を支払わなければならないのだ」という気持ちになるかもしれません。

共有者が兄・姉だと、弟・妹は賃料を得られないことも

本来、このように共有名義不動産に住んでいる共有者に対して、他の共有者は賃料に相当する金銭を請求することができます。

 

しかし、住んでいる共有者が親族の場合、とりわけ兄や姉のような年上の家族の場合には、なあなあで済まされてしまい、他の共有者は賃料を得られないことが珍しくありません。

 

「税金を負担させられるのなら、せめて賃料は払ってほしい」と思いながらも、弟や妹という立場にあるため強い態度に出ることができず、不満をためこみながら問題の解決をあきらめている場合がほとんどなのです。

本連載は、2017年5月26日刊行の書籍『あぶない!! 共有名義不動産』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載「共有名義不動産」のトラブル事例と解決策

株式会社中央プロパティー 代表取締役社長

1970年生まれ。
2011年に業界で唯一、共有名義不動産の仲介を扱う株式会社中央プロパティーを創業。弁護士、司法書士、不動産鑑定士などの専門家とともに問題解決に取り組む体制を確立し、現在までに約2000件のトラブル解決を手がける。
住宅ローンアドバイザー(社団法人全日本不動産協会認定)、相続アドバイザー(NPO法人相続アドバイザー協議会認定)。

著者紹介

あぶない!! 共有名義不動産

あぶない!! 共有名義不動産

松原 昌洙

幻冬舎メディアコンサルティング

「共有名義不動産」をめぐるトラブルがあとを絶ちません。 たとえば兄弟姉妹の場合、相続の際に現金資産はすぐに分割しても、実家などの不動産は「とりあえず共有で持とう」とするケースは珍しくありません。しかし、「仲の良…

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