前回は、相続税対策としての「ワンルームマンション投資」の優位性について解説しました。今回は、長期にわたる収益性の確保という点で、アパートとマンションではどちらが優れているのかを見ていきます。

「ワンルームマンション規制」で資産価値の維持が可能

アパートやマンションを利用した貸家建付地による相続税対策は、相続税評価額が下がりやすい効果的な手法です。しかし、マンションやアパートは、購入した時から経年劣化が進むため、資産価値は次第に減少していきます。そのため、資産価値の減少を収益性でカバーすることが重要だと言えるのです。

 

ここでは、ワンルームマンションとアパートのどちらが長期間にわたり、収益性の確保ができるかを検証していきましょう。

 

前回述べたように、アパートの空室率は急上昇しており、1都3県では35%前後の空室率になっていました。一方で、ワンルームマンションの空室率ですが、私が代表を務める和不動産の年間平均空室率は、2%を切っています。アパートは35%の空室率、ワンルームマンションは2%を切る空室率、この差は一体何なのでしょうか。

 

この答えは、需要と供給のバランスが引き起こす問題が大きく関係しています。アパートの賃貸需要は減少傾向で、新規アパートの供給は過剰傾向です。一方で、ワンルームマンションは、入居需要が高く「ワンルームマンション規制」により供給が抑えられていることから収益性を確保でき、資産価値を維持する上では理想のバランスになっています(ワンルームマンション規制は後ほど説明します)。このことについて確認していきましょう。

供給過剰の要因は、相続税対策のためのアパート建築

アパートの供給が過剰傾向にあるのは、相続税が改正され、相続税対策のためにアパート経営を選択する人が増えたことにより、アパートの建築が増えたからです。

 

平成29年1月に国土交通省は、平成28年の新設住宅貸家着工戸数が、8年ぶりに40万戸を突破する見通しで、そのうち貸家が新設住宅に占める割合は4割を超えていると発表しました(図表参照)。これも相続税の節税を目的としたアパート建設が全国的に広がっているためで、平成28年の1〜11月までの貸家着工数の地方圏の伸び率は、11.7%と3大都市圏を大きく上回っています。

 

28都道府県が2桁の上昇率を記録し、特に長野、鳥取、島根、富山、徳島、福島、青森の7県は、3割を超える伸び率を記録しました(図表参照)。
 

[図表]

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    仲宗根 和徳

    幻冬舎メディアコンサルティング

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