前回に引き続き、世界文化遺産にも指定されている京都寺社の所在と成り立ちについて見ていきます。今回は、宇治上神社等を取り上げます。

本殿は日本最古の神社建築「宇治上神社」

9、宇治上神社 京都府宇治市宇治山田

 

長らく創建年不明とされていたが、近年行われた建材の「年輪年代測定法」により、本殿が1060年頃、拝殿が1215年頃の建立と判明し、世界遺産に登録された。左殿は菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)、中殿は応神天皇、右殿は仁徳天皇を祀る。本殿は日本最古の神社建築である。

 

明治維新前まではすぐ隣の「宇治神社」と「宇治上神社」は一体で宇治離宮明神と呼ばれていた。境内の湧水「桐原水」は、「宇治七名水」のうちでは唯一現存するものである。

 

また、この場所は兎が菟道稚郎子を河内の国から先導し、振り返りながらお連れした場所だと伝わっており、正しい道へと導く神のつかい「みかえり兎」がお守りやおみくじのキャラクターとして人気を博している。

 

10、髙山寺(こうざんじ) 京都市右京区梅ヶ畑栂尾町

 

創建は奈良時代にまで遡る寺院。13世紀に明恵(みょうえ)上人が後鳥羽上皇より「日出先照髙山之寺」の勅願を得て再興を果たした。栂尾山(とがのおやま)にある境内は国の史跡に指定されており、京都指折りの紅葉の名所として有名。日本ではじめて茶が栽培された場所でもあり、「日本最古之茶園」の石碑が立っている。高山寺は国宝・鳥獣人物戯画、明恵上人像など数多くの貴重な美術工芸品を所有している。

庭園内の茶室が重要文化財に指定されている「西芳寺」

11、西芳寺(苔寺) 京都市西京区松尾神ヶ谷町

 

臨済宗の寺院で、奈良時代に行基が開創したとされている。1339年に夢窓国師を迎えて再興。正式名称である「西芳寺」よりも通称名の「苔寺」の名で知られている。その由来は同寺院の遊式庭園を覆う120余種の苔が、まるで深緑の絨毯を敷き詰めたかのように美しいことから。庭園は国の史跡・特別名勝に指定されており、庭園内の茶室・湘南亭は、重要文化財に指定されている。

 

12、天龍寺 京都市右京区嵯峨天龍寺

 

足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために、1339年に夢窓国師を開山として創建された。室町時代には、京都五山の第一位として永らく栄えた。創建以来八度にわたる大火に見舞われており、当時の壮大な面影はなく、現在の諸堂は明治以降に再建されたものである。四季折々の美しさを見せる曹源池庭園は亀山や嵐山を借景にした池泉回遊式庭園で、夢窓国師の作庭とされ、往時の面影を今に伝えている。

 

[図表]京都の世界遺産分布図

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