国民年金の保険料納付が困難な場合、一定の条件を満たせば全額または一部の免除を受けることができます。また、免除された期間の保険料は10年以内であれば「追納」して将来の年金額を増やすことが可能です。しかし、免除期間の制度上の仕組みを知らずに追納すると、「支払った保険料に対して年金がほとんど増えない」という事態に陥ることもあります。本記事では、過去56ヵ月分の免除期間を持つ52歳男性の事例をもとに、特定社会保険労務士・CFPの五十嵐義典氏が追納による年金増加額の正しい計算方法を解説します。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「年金10万円増えるはずでは…?」52歳自営業の誤算。年金事務所で突きつけられた〈追納90万円で年金5万円増〉の現実【社労士FPが「国民年金の追納」を解説】
「追納」が正解とは限らない…老齢基礎年金を増やす別の選択肢
年金事務所の担当者から、説明を受けたアキヨシさん。払う90万円以上の保険料に比べて、増える年金額が年間5万円弱と思っているより少ない現実を知り、今回は追納しない決断を下しました。
「90万円も払って5万円しか増えないなんて……」とつぶやきながら、アキヨシさんはとぼとぼ年金事務所を後にしたのでした。
そして、第1号被保険者の付加保険料の納付による付加年金の増額、事業の法人化で厚生年金加入者(国民年金第2号被保険者)となることによる基礎年金と厚生年金2階建てでの増額など、他の方法での年金の増やし方を検討することになりました。
なお、アキヨシさんの場合と異なり、学生納付特例や50歳未満の納付猶予を受けた場合、当該期間は国庫負担がないため、これらの期間についての老齢基礎年金は0円と計算され、当該期間の保険料は追納すると1ヵ月追納につき老齢基礎年金が年額1,765円増える計算になります。
免除や猶予を受けた期間の保険料について追納を考えている場合は、納付する保険料の額だけでなく、どれくらい老齢基礎年金が増えるかを確認しておきましょう。
五十嵐 義典
特定社会保険労務士/CFP®
株式会社よこはまライフプランニング 代表取締役
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