「子どもが困っていれば助けてあげたい」「孫のために支援したい」と考えるのは、親として自然な感情かもしれません。しかし、求められるがままに子世帯への援助を続けていると、思いもよらぬ「老後破綻の危機」や「きょうだい間のトラブル」を招いてしまうこともあります。本記事では合計1,500万円以上の援助を行った70代夫婦の事例をもとに、老後資金を削ってまで子世帯へ資金援助をするリスクについて、CFPの山﨑裕佳子氏が解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「娘より孫が可愛いんでしょ?」40歳長女の一言が“老後破綻”の引き金に…年金月27万円・70代夫婦が〈5年で1,500万円〉失ったワケ【CFPの助言】
「結局、娘より孫が可愛いんでしょ?」次女への援助を知った長女の怒り
忙しいながらも充実した日々を送るヨシミさんに、先日大事件が起こりました。
5年ぶりに、長女のマコさんから「来週末、帰るから」と、ヨシミさんの元に連絡が入りました。急な連絡に驚きつつも、せっかくだからとリコさん一家も誘い、食事をすることにしました。
食事会ではじめて、ヨシミさんがリコさん一家へ金銭的な援助をしていることを、長女のマコさんに知られてしまったのです。
事の発端は、リコさんが料理人の夫とイタリアンレストランをオープンした5年前まで遡ります。二人はヨシミさん夫婦から、店の開店資金や生活費として総額1,000万円ほどの資金援助を受けていたのです。
久しぶりの一家団欒の空気は凍りつき、マコさんは怒りをあらわにしました。
「私は何も貰ってないのに。不公平よね」
ヨシミさんが「リコは子どももいて大変だから」となだめても、マコさんの怒りは収まりません。
「私だって同じだけもらう権利あるでしょ。だいたい、リコの家族の世話ばっかり焼いて……結局、娘より孫が可愛いんでしょ?」
まくし立てるマコさんでしたが、ふと真顔になり、今回の帰省の本当の目的を告げました。
「私、マンション買ったの。来月引っ越しだから、私にもリコと同じように頭金の援助をお願いね」
そこまで言われると、返す言葉がないヨシミさん。「とりあえず、お父さんに相談するから、少し待って」とだけ伝え、後味の悪いまま食事会はお開きになりました。