老後の資産形成において、「長期保有による複利効果」の恩恵は計り知れません。しかし近年、目先のポイント還元やお得な裏ワザに目を奪われ、投資本来の目的を見失ってしまうケースが増えています。本記事ではYouTubeチャンネル登録者数40万人超の人気FPである鳥海翔氏が、月30万円のクレカ積立でポイ活に走った結果、大きな利益を取り逃がすことになった55歳サラリーマンの事例をもとに、ポイント還元率に惑わされない「真の資産形成」について解説します。
「月30万円のクレカ積立」でポイ活…タダで海外旅行を満喫した55歳サラリーマンが〈失っていたモノ〉【FPが警告】
【FPが警告】ポイント目当ての「クレカ積立」が愚かである理由
マナブさんと同じように、「即現金化ループ」を一度は思いついた方もいらっしゃるかもしれません。元手ゼロでポイントだけをかすめ取るこの手法は、一見すると賢い裏ワザに思えます。
ですが、これは投資の世界において最も愚かな行為の一つです。表面的なポイント還元(0.5%〜1.1%)を得る代償として、投資最大の武器である「長期保有による複利効果」を自ら放棄している現実に気づいていないからです。
ポイントのおまけを拾うために、数百万、数千万円にもなるはずの“本業の利益”をドブに捨てているのと同じなのです。投資で一番もったいないのは、上がり下がりで一喜一憂したり、目先の利益を気にして売却してしまったりすることです。
投資信託は、ひたすら先を読まず、タイミングを計らず、持ち続けることこそがお金を増やす最大のコツになります。クレジットカード積立は、あくまで長期投資を楽しむためのツールであり、ポイント目的で売買を繰り返しては完全に本末転倒です。
「複数口座×クレカ積立」は富裕層も実践しているが…「余剰資金」がある前提の戦略
では、ポイントやマイルを最大限に活用しつつ、資産もしっかり増やすにはどうすればよいのでしょうか。実は、十分な余剰資金を持つ富裕層やFIRE達成者たちは、マナブさんのような「即売り」ではなく、正しい形で複数口座のクレカ積立を実践しています。
NISAの非課税枠1800万円を余裕で埋められるような資金力があるなら、1つの証券会社だけでなく、複数の口座を併用するのが理想的です。
仮に月45万円をクレカ積立した場合、年間で540万円の決済となります。ポイント還元率が0.5%だったとしても年間で2万7,000ポイント、5年間続ければ13万5,000ポイントに達します。
13万5,000ポイントをマイルに交換すると、一般的に約6万7,500マイルになります。ニューヨーク往復に必要な基本マイルはおよそ5万マイルなので、5年間コツコツと投資を続けるだけで、資産を増やしながらニューヨーク往復の航空券が手に入る計算です。
念押ししておきますが、これは買った投資信託を売らずにしっかり長期保有できる「余剰資金」がある前提で成り立つ戦略です。