老後の生活を守るカギは「毎月の消費支出と余剰資金の把握」

それから5か月後、再び子どもたち家族が与太郎さん夫婦の家に集まる機会がありました。与太郎さんはいつものように8人の孫にそれぞれ5,000円のおこづかいを渡します。一人ひとりに手渡していきながら、最後にしゅん君の番になりました。「じぃじ、ありがとう。あのね……」しゅん君は少し恥ずかしそうに口を開きます。

「お仕事してるじぃじ、カッコよかった。ぼくもお金持ちになって、じぃじにたくさんプレゼントを買ってあげるからね」

その言葉に、与太郎さんは思わず涙ぐみます。与太郎さんがアルバイトをしている姿は、お金がないから働いているのではなく、「お仕事を頑張ってお金持ちになったじぃじ」としてしゅん君の目に映ったのです。

総務省統計局『家計調査報告書 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)における平均消費支出は26万3979円。そのうち、交際費が占める割合は8.8%(月額で約2万3,230円、年間で約28万円)。

与太郎さんの場合、孫におこづかいを渡すのは年に1~2回程度です。しかし、1回につき4万円が出ていくことに加え、孫の誕生日や入学祝・卒業祝いといった節目のイベントでも支出が発生します。

与太郎さんのように孫の喜ぶ顔を見ることが生きがいになっている場合は、孫への出費を抑えることが必ずしも得策であるとは限りません。まずは毎月の消費支出と余剰資金を把握し、「余剰資金の枠を越えない範囲で孫へのおこづかいやプレゼントに回す」という意識を持つことが想定外の出費を防ぐカギとなりそうです。