遺産相続の場では、法定相続人ではない身内の介入によって協議が泥沼化することもあります。節税などの「正論」を口実にした無神経な言動が、家族の絆を引き裂いてしまうケースも少なくありません。本記事では、弁護士法人山村法律事務所の代表弁護士・山村暢彦弁護士が、遺産9,000万円の相続協議に割り込んだ長女の夫の事例をもとに、相続における親族間の関わり方について解説します。
(※画像はイメージです/PIXTA)
「義母さんはどうせ長くないんだから」遺産9,000万円の相続協議に割り込んだ46歳・長女の夫。リビングを凍りつかせた〈外野のひと言〉【弁護士が解説】
【弁護士が解説】相続協議に「外野」が口を出すべきではない理由
相続は、法律や税金だけで整理できる問題ではなく、もともとの家族関係や感情が強く影響する場面です。特に、法定相続人ではない配偶者などが関与する場合には、法律上正しいことを言っていても、言い方やタイミングによってはかえって紛争を招くことがあります。
実務でも、「余計なことを言って気まずくなりたくない」と、配偶者が最初から一切関与しないケースも多いです。不安があるため弁護士との法律相談には同席するものの、そのあとは「ここから先は本人と先生で直接進めてください」と距離を取る方もいます。他方で、相続人本人から「不安だから一緒にいてほしい」と頼まれて同席し、善意で助言したつもりが、他の相続人から「外野が口を出してきた」と受け取られ、関係が悪化するケースもあります。
もちろん、二次相続や節税を考えること自体は重要です。しかし、「誰がいくら受け取れば得か」だけでなく、残された配偶者の生活や本人の希望、これまでの家族関係も踏まえる必要があります。
相続では、正論を言えば解決するとは限りません。誰が、どの立場で、どのように意見を伝えるのかまで含めて慎重に進めることが大切だといえるでしょう。
山村 暢彦
弁護士法人山村法律事務所
代表弁護士
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