【CFPが解説】子どもへの援助は「老後資金とのバランス」が重要

子どもの結婚は喜ばしい出来事であり、親として「できるだけお祝いしてあげたい」と考える人も多いでしょう。

「ゼクシィ結婚トレンド調査」によると、挙式・披露宴・ウエディングパーティーの費用について、親・親族から援助が「あった」と回答した人は74.2%でした。また、援助額のうち、挙式、披露宴・ウエディングパーティーに使った金額の平均は168.6万円となっています。

親・親族からの援助が「あった」割合:74.2%

挙式等に使った援助額:平均168.6万円

※参考 株式会社リクルート『ゼクシィ結婚トレンド調査2024』を参考に筆者作成

このように、70%を超える親が子どもの結婚費用を援助していることがわかります。とはいえ、子どもの結婚を祝いたいという気持ちから、無理をしてまで援助することは避けたいところです。

大切なのは「いくら援助できるか」ではなく「援助したあとも自分たちの老後生活に支障がないか」という視点です。

今回のコウキさん夫婦であれば、住宅ローン完済までに必要なお金や、年金生活に入ってからの収支、住宅修繕などに備える予備資金を確保したうえで、援助額を決める必要がありました。

結果として手元に残った資金は100万円です。今後さらに突発的な支出が発生すれば、手元資金だけで対応するのが難しくなるでしょう。

老後生活は長く続きます。子どもの門出を祝うことは大切ですが、自分たちの老後資金とのバランスを考え、無理のない範囲で援助することが重要です。

手元資金は残り100万円…老後資金を立て直すため夫婦が決めたこと

「何も考えずに、娘に援助しすぎた……ちゃんと自分たちの老後も考えないと」

大喧嘩になったコウキさんとサトコさんですが、その後、改めて今後のお金について話し合いました。

まずは、今回大きく減ってしまった手元の資金を少しでも取り戻すため、毎月の収支を黒字にして貯蓄を増やしていくことにします。サトコさんもパートに出て収入を増やし、家計を見直した結果、毎月5万円ほどを貯蓄に回せるようになりました。

また、コウキさんは当初、年金を受け取れる65歳で仕事を辞める予定でしたが、健康面に問題がなければ、その後も嘱託として働くことにします。住宅ローンの返済が終わる70歳を一つの目安にするとのことです。

子どもの結婚など、人生の節目には「できるだけのことをしてあげたい」と考える親も多いでしょう。しかし、自分たちの老後生活もその先何年、何十年と続いていきます。

まとまった資金があるからと安心せず、将来必要になるお金や予期せぬ支出も考慮したうえで、無理のない範囲で援助するようにしましょう。

辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP

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