FIREを阻む「妻ブロック」…でも、最後に決めるのは誰?

そして、FIREか会社員継続かという二者択一で考える必要もありません。

今の会社を退職して勤務時間の短い仕事へ移り、一定の要件を満たして厚生年金に加入しながら働くこともできます。あるいは60歳までは働く代わりに、残業や責任の重いポジションから離れるなど、完全なFIREではなく、今の羽田さんの問題を解決できる着地点も考えられます。

ただし、十分に話し合っても意見が一致しないことはあります。

最近では、配偶者の反対で転職や起業などを断念することを「嫁ブロック」などと表現することがあります。しかし「妻が許してくれなかったからできなかった」と言い続ければ、自分の人生の決断を配偶者に委ねてしまうことに。配偶者の意向を尊重しているように見えながら、知らず知らずのうちに相手に責任を転嫁しているのです。

相手の意向を無視してよいという話ではなく、数字を確認し、相手の不安を聞き、代替案まで十分に検討すること。そのうえで、自分の人生について最後は自分自身が責任を持って選択することが大事です。

「これからどんな人生を送りたいのか」…夫婦で話し合うこと

FIREする際にその後の収支や資産について、本当にFIREしても大丈夫なのかシミュレーションすることは必要不可欠です。

しかし、必要なことは「いくら貯めれば会社を辞められるか」という計算だけではありません。羽田さんのように十分な資産があっても、夫婦で老後に望む暮らしやお金に対する価値観が違えば、そこで立ち止まってしまうことがあります。

だからこそ、FIREを考えるなら資産額だけでなく、夫婦で「これからどんな人生を送りたいのか」を話し合うことが大切です。ライフプランは、単に老後資金が足りるかを計算するものではありません。限りあるお金と時間を、これからの人生でどう使い、どうお互いにとっての幸せを実現するかを考えるためにあります。

家庭の共同経営者として、お互いに将来像や価値観を擦り合わせながら、お互いの幸せの実現のためにベストな道を考えることが大事です。

小川 洋平
FP相談ねっと

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