「FIREできる資産があること」と「家族がFIREに納得すること」は別問題

羽田さんの8,000万円という金融資産は、一般的な同年代世帯と比較してもかなり大きな金額です。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」では、二人以上世帯全体の金融資産保有額は平均1,374万円でした。単純比較はできませんが、羽田さん夫婦がかなり大きな金融資産を築いてきたことはわかります。

地方で実家に暮らし、住宅費を抑え、子どもも自宅から大学へ通うなど支出が少ない家庭では、会社員でさほど収入が高くなくても長い時間をかけて大きな資産を築ける場合があります。しかし、「FIREできるだけの資産があること」と「家族がFIREに納得すること」はまったくの別問題です。

では、どうしたら羽田さんは妻にFIREを認めてもらえるのか。まず、羽田さんはFPへ一人で相談していましたが、ここに改善できる点があったのかもしれません。

妻の香さんも同席して相談していれば、「8,000万円で本当に足りるのか」「何歳の時点でいくら残るのか」「介護費用が発生したらどうなるのか」「年金を繰上げた場合と65歳まで待った場合ではどう違うのか」など、不安に思うことを直接専門家へ質問できました。

夫婦間・家族間では、お金の話は感情的になりがちです。第三者のプロが数字を示しながら、お互いの不安を言語化、整理しながら、「どうしたら解決できるか」を話し合うことで解決できる場合もあります。