中国のMoonshot AI社が発表した新型AI「Kimi K3」をきっかけに、米国の半導体株が一時的に下落しました。中国製AIの台頭が米国AI市場に与える影響について、一部で懸念が生じています。本記事では、Kimi K3が米半導体株に及ぼす影響や、投資家が注視すべき米国IT大手の3つの財務指標について、YouTubeチャンネル登録者数40万人超の人気FP・鳥海翔氏が解説します。
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価格はClaudeの約30%…中国発・新AI「Kimi K3」の価格破壊が及ぼす〈米半導体株〉への影響【FPが解説】
NVIDIAのGPU需要は減少する?「19世紀の石炭」が示す半導体の未来
歴史を振り返ると、19世紀のイギリスにおいて蒸気機関のイノベーションが起きた際、機械を動かすために必要な石炭の量が100から30へと大幅に削減されました。普通に考えれば石炭の需要は減るはずですが、実際には石炭の需要は激増しました。
コストが下がったことで、それまで高価で使えなかったあらゆる作業に蒸気機関が導入され、結果として全体の石炭使用量が増加したからです。
半導体も同様です。2025年1月27日に中国のDeepSeekが安価な高性能AIを発表した際、NVIDIAの株価は1日で17%下落しました。しかし、現在に至るまで米国のIT大手は設備投資を減らしていません。安価にAIを運用できるようになることでAIの普及が一気に進み、長期的にはGPUの需要はさらに増加すると見られます。
「不正確な回答が51%」…米国ハイテク産業を脅かす中国製AIの“3つの限界”
中国製のAIが世界シェアを奪い、米国のハイテク産業を脅かすというシナリオも現実的ではありません。中国製AIには特有の3つの重大な課題が存在します。
1つ目は、安全保障上の問題です。中国には国家情報法第7条があり、中国企業は国家の情報活動への協力を義務づけられています。そのため、米国の企業がKimi K3を使用すれば、すべての機密情報が中国政府に流出するリスクを免れません。
2つ目は、回答の不正確さです。Artificial Analysisの測定によれば、Kimi K3が事実ではないことをさも事実であるかのように回答する確率は51%に達しており不正確な傾向があります。
3つ目は、規制リスクです。安全保障上の懸念から、将来的にアメリカ国内でのKimi K3の使用が全面的に禁止される可能性があり、ビジネスの実務に導入するにはリスクが大きすぎるという見方もできます。