なんで俺だけ?…祖母が遺した「遺言書」の内容に、38歳孫絶句

カズキさん(仮名・38歳)の祖母は、長年アパート経営などで手堅く資産を増やし、約1億2,000万円の財産を保有していました。90歳で穏やかに息を引き取り、四十九日の法要を終えたころ、親族が集まる場で祖母が遺した公正証書遺言が読み上げられました。

「遺産は、カズキを除く3人の孫に均等に分ける」

その言葉を聞いた瞬間、カズキさんは自分の耳を疑いました。

「ばあちゃん、なんで俺だけ……。一番可愛がってくれたじゃないか」

祖母には、カズキさんを含めて4人の孫がいました。カズキさんの父親と叔母(祖母にとっての子ども2人)はすでに他界しているため、本来であれば孫4人が「代襲相続人」として権利を持ちます。

カズキさんは初孫ということもあり、幼いころから祖母に大変可愛がられて育ちました。親族の誰もが「おばあちゃん子といえばカズキ」と認めるほどの関係だったのです。

カズキさんは現在、都内の大手IT企業に勤務し、年収は1,500万円を超えています。親族のなかでも一番の出世頭であり、生前祖母も「カズキは自慢の孫だ」と周囲に誇らしげに語っていました。

では、なぜカズキさんだけが遺産配分から外されてしまったのでしょうか。

「もう心配はいらないでしょう」…付言事項に書かれていた祖母の“真意”

その理由は、遺言書の最後に添えられていた「付言事項」に記されていました。

「カズキには、生前に十分すぎるほどの支援をしてきました。私立大学から大学院までの学費、海外留学の費用、そしてマンションを購入する際の頭金まで、できる限りの援助をしてきたつもりです。いまでは自分の力でしっかり暮らしていて、仕事も生活も落ち着いているようですから、もう心配はいらないでしょう。その分、残りの財産は、親を早くに亡くして苦労している他の孫たちや、これから社会に出る孫たちのために使ってほしいと思っています」

カズキさんは、これまでに祖母から総額3,000万円近い経済的な援助を受けていました。

法律上、特定の相続人が生前に受けた特別な援助を「特別受益」として考慮する考え方がありますが、「生前に十分与えたのだから、これ以上の遺産は必要ないだろう」と、祖母は法律よりも自身の愛情と公平な視点から判断したのでしょう。

カズキさんが高い収入を得られている背景に、祖母の手厚い援助があったことはたしかです。祖母の決断は、経済的に不安定な他の孫たちへの配慮であり、「本当の意味での平等」を目指した愛情深いものでした。

「頭では理解できます。でも、事前になにも聞かされていなかったので、自分だけが見捨てられたような気がしてショックでした」

どれだけ経済的に恵まれていても、遺言書で自分だけが除外されたという事実は、「拒絶された」という精神的な痛みを伴います。