ある日、姉のもとに届いた税務署からの「一通の手紙」

地方で一人暮らしをしているサワコさん(仮名・50歳)は、届いた郵便物をなにげなく開いた瞬間、凍りつきました。

「上記のとおり滞納となっておりますので、至急納付してください」

中身は、納期限までに支払われていない税金について速やかな納付を求める、税務署からの「督促状」でした。会社勤めで給与以外の収入がないはずのサワコさんは、まるで狐につままれたような気持ちです。

しかし、よくよく思い返すと、一つだけ心当たりがありました。

数年前に母が亡くなった際、遺産分割協議で実家のアパートを相続したのです。登記名義も自分に変更したものの、1階には、離婚後に実家へ戻っていた妹のアキコさん(仮名・48歳)がそのまま住んでいます。ただし、2階部分は空室のはずです。

嫌な予感がして妹に確認すると、空室のはずの2階について、「もったいないから貸している」といいます。しかも、その家賃は申告されないまま、アキコさんの生活費に充てられていることが判明しました。家賃収入は姉名義で発生しているにもかかわらず、確定申告はされていないようです。

固定資産税の支払いだけは姉の口座から引き落とされていたものの、その他の管理は妹に任せきりだったため、税務署から届いていた「お尋ね」や「通知」にも気づかず、最終的にサワコさんの居住地へ「申告漏れに関する督促状」が届く事態となりました。

姉に代わって対応していたアキコさんに悪意があったのか、事の重大さがわからなかったのかはわかりません。しかし、姉に報告することなく放置した結果、最終的に納税者本人であるサワコさんの居住地に「督促状」が届いたのでした。

「なんで私が税金を払わなきゃいけないの? 1円も家賃を受け取っていないのに……」

サワコさんは、妹に対する怒りと同時に疑問が湧き上がってきました。