内閣府が公表した「令和6年版高齢者白書」によると、65歳以上の84.5%が「持ち家」で暮らしているそうです。住宅ローンを払い終え月々の費用もかからず、なにより家族との思い出が詰まったマイホーム、一見すると手放す理由は見当たりません。しかしなかには、わざわざ自宅を売却して賃貸に住み替えるシニアもいるようです。いったいなぜなのか、事例をもとにみていきましょう。
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「高齢者は賃貸を借りにくい」という問題
一方、高齢者が賃貸住宅へ住み替えることには特有のハードルも存在します。認知症によるトラブルや孤独死、家賃の滞納リスクなどを懸念する大家側から、入居を敬遠されやすいという実態があるのです。
もっとも、高齢者の住まい確保の課題に対しては、国による支援策の整備が進められています。代表的なのが、国土交通省と厚生労働省の共管である「住宅セーフティネット法(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)」です。高齢者や低所得者などの入居を拒まない「セーフティネット住宅」の登録制度が運用されています。
また、UR賃貸住宅(都市再生機構)では、高齢者が単身でも申し込みやすいよう、収入要件の特例や家賃の一定期間前払い制度が設けられるなど、高齢者の受け皿となっています。さらに、近年では見守りサービスや高齢者向けのサポート付き住宅の選択肢も広がっており、かつてに比べて高齢者が賃貸生活をスタートしやすい環境は改善されつつあります。
元気なうちから始める「住まいと相続」の生前対策
老後の暮らしを守り、子ども世代へ負担を先送りしないためには、心身ともに健康で判断能力が十分にあるうちに生前対策を進めることが極めて重要です。
もしも認知症などが進行して資産の凍結や判断能力の低下が起きると、不動産の売却手続き自体が著しく困難になってしまうリスクがあります。
持ち家を将来どうするのか、そのまま住み続ける場合の維持費はいくらかかるのか、売却する場合はどれほどの資産価値があるのかなど、一度“終の棲家”について考えてみてはいかがでしょうか。
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