「しっかり貯蓄しているはずなのに、なぜか将来のお金への不安が消えない」といった悩みを抱える人は少なくありません。貯金2,000万円・世帯年収1,000万円という順調な資産形成をしているAさん(40代・女性)もその一人でした。一体、お金はいくら貯めれば安心できるのでしょうか。「何のために稼ぐのか」という根本的な問いから、お金に振り回されないためのライフプランの描き方について、CFPの曽布川美穂氏が解説します。
人生の目的から逆算する「お金の設計図」
では、どうすれば貯めるだけの人生から抜け出せるのでしょうか。その答えはシンプルです。目的を先に決めること、そしてそこから逆算してお金を設計することです。
「50歳までに独立したい」「子どもが巣立ったら夫婦で海外に住んでみたい」「60代は地域に恩返しがしたい」といった具体的なゴールがあって、ようやく「そのためにいくら必要か」「いつまでに準備すべきか」「逆に今はいくら使っていいのか」が見えてきます。
資産形成はゴールのないマラソンではなく、ゴールを設定してそこへ向かうペース配分を考える競技です。ゴールが決まれば、貯めることも使うことも、すべてが目的に向かう行動として意味を持ちます。
重要なのは、使う前提でお金を設計するという発想です。何歳にいくら使うか、どんな体験に投資するか、それを意識的に組み込んだライフプランこそが、お金に振り回されない生き方を支える土台になるのです。
いくら持っているかではなく、何にどう使ったか。それが最終的に人生の満足度を決める要素になるでしょう。
曽布川 美穂
CFP/1級ファイナンシャル・プランニング技能士